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GPシリーズ女子展望――ロシア勢を日米が追う

浅田真央、宮原知子、世界女王メドベデワ……6大会の見どころ

田村明子 ノンフィクションライター、翻訳家

 10月後半からいよいよ開幕するシニアGP(グランプリ)シリーズ。

 女子はこのところ、次々と下から上がって来る才能あるロシアの女子を、日本、アメリカが追いかけるという構図が続いている。男子は過酷なジャンプの競り合いが繰り広げられている一方、シニアの女子では、トップは比較的同じレベルのジャンプ構成の中で、技の質と全体をまとめる総合力が問われる戦いだ。初戦から、それぞれの大会の見どころを紹介していこう。

初戦のスケートアメリカで浅田真央登場

 10月21日からシカゴ郊外のホフマンエステートで開催されるスケートアメリカでは、浅田真央が登場する。

2位に入り、表彰台で笑顔を見せる浅田真央拡大10月のフィンランディア杯で2位の浅田真央(左)はGPシリーズ初戦から登場する。中央は優勝したケイトリン・オズモンド(カナダ)、右は3位のアンナ・ポゴリラヤ(ロシア)
 女子で唯一、すでにファイナルも含めたGP全大会を制覇した浅田選手。

 10月初頭のフィンランディア杯で2位のシーズンスタートをきり、試合後に佐藤信夫コーチが、3アクセルを回避した理由は左膝の痛みを抱えていたためだったことを明かした。

 体調によっては、ここでも3アクセルを組み込まない構成で挑むことになる。だがベテランの彼女ならではの、美しい滑りと音楽表現を堪能させてくれるだろう。

 ショートプログラム(SP)、フリーともにマニュエル・デ・ファリャのバレエ音楽、「恋は魔術師」から抜粋された「火祭りの踊り」など。ローリー・ニコルによる振り付けである。

 浅田とメダルを争うと予想されるのは、まずアメリカのアシュリー・ワグナーとグレイシー・ゴールドの2人だろう。

 現全米チャンピオンであるワグナーがスケートアメリカに出場するのは当然のことだが、初戦でいきなり全米ナンバー2のグレイシー・ゴールドとぶつかるというのは珍しい。シカゴ郊外はゴールドが育った場所なので、本人のたっての希望だったのかもしれない。ボストン世界選手権で底力を見せ、銀メダルを手にしたワグナーは、今シーズンはどんな初戦を迎えるだろうか。

 ソチ五輪以降、調子を崩しているユリア・リプニツカヤ(ロシア)がどのような演技を見せるかにも、要注目。またネーベルホルン杯で優勝を決めて快調なスタートをきった三原舞依、今季はSPが「カルメン」、フリーが「トスカ」と歌劇シリーズに挑戦する村上佳菜子らにも好演技を期待したい。

スケートカナダで新境地を切り開く宮原知子 ・・・ログインして読む
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筆者

田村明子

田村明子(たむら・あきこ) ノンフィクションライター、翻訳家

盛岡市生まれ。中学卒業後、単身でアメリカ留学。ニューヨークの美大を卒業後、出版社勤務などを経て、ニューヨークを拠点に執筆活動を始める。1993年からフィギュアスケートを取材し、98年の長野冬季五輪では運営委員を務める。著書『挑戦者たち――男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて』(新潮社)で、2018年度ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。ほかに『パーフェクトプログラム――日本フィギュアスケート史上最大の挑戦』、『銀盤の軌跡――フィギュアスケート日本 ソチ五輪への道』(ともに新潮社)などスケート関係のほか、『聞き上手の英会話――英語がニガテでもうまくいく!』(KADOKAWA)、『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)など英会話の著書、訳書多数。

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