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GPシリーズ男子展望――急激に進化するジャンプ

羽生結弦、宇野昌磨、フェルナンデス……6大会の見どころ

田村明子 ノンフィクションライター、翻訳家

 いよいよシニアグランプリ(GP)大会も開幕間近となった。

2位の羽生結弦、優勝したハビエル・フェルナンデスと3位の金博洋拡大2016年世界選手権で、左から2位の羽生結弦、優勝したハビエル・フェルナンデス(スペイン)、3位の金博洋(=ボーヤン・ジン、中国)。今シーズンも激戦が予想される
 平昌オリンピックを来シーズンに控えた今季、男子は過度期を迎え、特にジャンプのレベルは見ている側が追いつかないほど急激に進化している。

 今シーズンはすでに、フィギュア史上初めて、5種類の4回転ジャンプが出揃った。トップ選手たちが顔を合わせるGPファイナルでは、特に凄まじい戦いになりそうである。

 今季GPシリーズの見どころを、初戦のスケートアメリカから順番に紹介していきたい。

アメリカは宇野とジンの戦いに注目

 シカゴ郊外ホフマンエステートで10月21日から開催されるスケートアメリカ。初戦のここで宇野昌磨と、2016年世界選手権銅メダリスト、中国のボーヤン・ジンが顔を合わせる。

 宇野は4月に米国で開催された団体戦、チームトロフィーカップで世界初の4フリップを成功させた。10月1日に埼玉で開催されたジャパンオープンでも再び着氷し、好調なスタートをきっている。新プログラムはいずれも樋口美穂子コーチの振り付けで、ショートプログラム(SP)が「ラヴェンダーの咲く庭で」サントラより、「ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジー」、フリーがアストル・ピアソラのタンゴメドレーで挑む。

 一方ジンは、4ルッツをコンビネーションジャンプで跳ぶという、まだ世界で2人しか成功させたことのない武器を持っている。今シーズンは4ループを入れたいと宣言。もし成功すれば、4種類の4回転に3アクセルを2回という恐ろしい構成になる。新プログラムはSP、フリーともにローリー・ニコルが手がけたという。次の世代を牽制していくであろうこの2人の戦いに、焦点が集まりそうだ。

 またジェイソン・ブラウン、アダム・リッポンらのアメリカ勢、そして昨シーズンあまり成績が安定しなかったロシアのマキシム・コフトゥン、セルゲイ・ボロノフ、このところ怪我に悩まされていたデニス・テン(カザフスタン)らのベテラン勢が、どのように調整してくるかにも注目。SP、フリーともにローリー・ニコルの新プログラムで初戦に挑む村上大介にも期待したい。

カナダでいよいよ羽生結弦が登場 ・・・続きを読む
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筆者

田村明子

田村明子(たむら・あきこ) ノンフィクションライター、翻訳家

盛岡市生まれ。中学卒業後、単身でアメリカ留学。ニューヨークの美大を卒業後、出版社勤務などを経て、ニューヨークを拠点に執筆活動を始める。1993年からフィギュアスケートを取材し、98年の長野冬季五輪では運営委員を務める。著書に、『挑戦者たち――男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて』、『パーフェクトプログラム――日本フィギュアスケート史上最大の挑戦』、『銀盤の軌跡――フィギュアスケート日本 ソチ五輪への道』(ともに新潮社)などスケート関係のほか、『聞き上手の英会話――英語がニガテでもうまくいく!』(KADOKAWA)、『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)など英会話の著書、訳書多数。

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