“上がり”のない米国の先発投手はいつもベンチ入り、スタミナ不足目立った日本人選手
2016年11月07日
2016シーズンはシカゴ・カブスが108年ぶりのワールドシリーズ優勝を飾って閉幕した。第7戦までもつれたシリーズはカブスに次いで世界一から68年間も見放されているクリーブランド・インディアンスの勝利への執念で、延長10回に8対7で決着がつくという歴史的シリーズに相応しい、のちのちまで語り継がれるような大熱戦だった。
野球というスポーツの醍醐味、面白さが堪能できたシリーズ。しかし、残念ながら、そのフィールドには今年も日本人選手の姿はなかった(カブスの川崎宗則はベンチ入りを許されていたが、出場選手登録外)。02年の新庄剛志(ジャイアンツ)から09年の松井秀喜(ヤンキース)まで8年連続、13年には上原浩治、田澤純一(レッドソックス)、14年も青木宣親(ロイヤルズ)が出場して日本での盛り上がりをみせたが、これで2年続けて出場を逸したことになる。
もちろん、だからといってシーズンを通して日本人選手が活躍しなかったわけではない。投手に限っていえば、そのほとんどがチームに大きな貢献をしたといえる。右ヒジの心配がついて回る田中将大(ヤンキース)は試行錯誤しながら199回3分の2を投げ、14勝4敗、防御率3.07と自己ベストのシーズンを送り、『ヤンキースのエース』としてチーム内外に認知された。岩隈久志(マリナーズ)もローテーションの中心として自己最多の16勝をマーク。
だが、シーズンを終えるとき、彼らの口をついて出てきたのは「悔しい」という言葉。
成績は確かに高い評価を与えられるものではあったが、それぞれが最終盤の勝負どころで力を出し切れなかった。田中はわずかだがポストシーズンの望みを残した段階で、右前腕部の張りで2回の先発機会を回避、そのままシーズンを終えた。ヤンキースは結局、ポストシーズン進出を逸し、田中も掴みかけていた防御率1位のタイトルを獲ることはできなかった。
岩隈は01年以来のポストシーズン進出を賭けた試合で先発を任されながら
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