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サムスンのスマホ発火は充電端子が原因か

ドコモなどは発売見送り、生産地のベトナムの経済を直撃、中国メーカーは追撃図る

石川温 ジャーナリスト

サムスン電子のスマートフォン「ギャラクシーノート7」には、目の虹彩による認証機能が搭載されていた=2016年8月11日、ソウル拡大サムスン電子のスマートフォン「ギャラクシーノート7」には、目の虹彩による認証機能が搭載されていた=2016年8月11日、ソウル
 サムスン電子のスマホ「Galaxy Note7」の発火問題は、韓国内外に影響を与え、さらに広がりを見せている。

  Galaxy Note7は、8月19日に発売された同社のフラグシップモデルだが、発売後に世界各地から爆発や発火の報告が相次いだ。サムスン電子では、特定メーカーから納入された電池が悪影響を及ぼしているという見解を示し、別のメーカー製電池を採用したものを「良品」として交換対応していた。しかし、その良品だったはずの製品も発火報告が相次いだため、10月11日になって、サムスン電子は生産と出荷の停止を発表した。Galaxy Note7のユーザーに対しては端末の回収と共に端末代金の全額払い戻しを行っている状況だ。

  現在も、サムスン電子からは爆発の原因は明らかにされていない。しかし、メーカー関係者は「Galaxy Note7は、従来モデルとは異なり、新しく充電端子として『USB-C』を採用している。これが爆発や発火に大きな影響を与えているのではないか」と推測する。従来とは異なる端子や充電方法となるため、サムスン電子としても充電の制御が完璧ではなかった可能性もあるし、ユーザーが正規品とは異なる充電器を使ってしまったことも想定されるのだ。

  日本市場では未発売であったため、大きな影響は出なかったように思えるが、実際は10月11日の直前まで、NTTドコモやKDDIで取り扱う準備を進めていた。特にNTTドコモは10月19日に冬春商戦向けの新製品発表会を予定しており、Galaxy Note7の取り扱いも大々的に発表される予定であった。

  しかし、NTTドコモ・吉澤和弘社長は「アメリカの消費者庁で検査され、リコールになったときに、我々としても採用を見送る判断をした。サムスンからも日本国内における販売を見送るという正式な連絡もあった」といい、取り扱いを断念した。

  NTTドコモでは、すでに完成していた総合カタログも刷り直しを余儀なくされたという。

  フラグシップモデルが販売停止に追い込まれたことで、サムスン電子に対する収益面でのインパクトも強大だ。10月26日に発表された同社の第3四半期決算において、モバイル部門の営業利益は1000億ウォンで、前年同期比96%減まで落ち込んでいる。年末にかけて、全世界的に発売される計画が頓挫してしまっただけに、今後、さらなる悪影響が決算数字に表れてくるものとされている。

  また、この影響はメーカーだけでなく ・・・ログインして読む
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筆者

石川温

石川温(いしかわ・つつむ) ジャーナリスト

1975年生まれ。中央大学商学部卒業後、98年、日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社。月刊誌『日経TRENDY』の編集記者として通信、自動車、ホテル、ヒット商品などを取材。2003年に独立後、携帯電話、スマートフォン業界を幅広く取材。近著に『スティーブ・ジョブズ 奇跡のスマホ戦略』がある。有料メルマガ『スマホ業界新聞』を配信中。

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