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タワマンの階層カーストは本当にあるか(中)

専門家たちが「タワーマンションは買うな」というのはなぜか

杉浦由美子 ノンフィクションライター

 (上)編では、ドラマ『砂の塔』で描かれるような階層カーストが、タワマンで本当にあるのか、ということに言及した。(中)編では、庶民の憧れであるタワーマンションだが、一方で、「買っちゃいけない」という声もある。その理由と、実際のところを見ていきたい。

住環境としての利便性や快適さへの疑問

  現在、マンション購入をテーマにした新書やビジネス書が沢山出ている。それらの中ではしばしば「タワーマンションは薦めない」という内容がでてくる。

  実は私も、取材先で雑談をしていると、不動産業界関係者や建築関係者から、たびたびこうアドバイスをされるのだ。「いいかい? 絶対にタワーマンションは買っちゃダメだ」

湾岸地区に立ち並ぶタワーマンション=2015年2月、東京都江東区拡大湾岸地区に立ち並ぶタワーマンション=2015年2月、東京都江東区
  確かに私の知る”知恵のある人たち”は、10階以下のマンションを購入している。不動産関係企業の社長は、自分では、渋谷区の3階建ての低層マンションを買っていた。

  なぜ、タワーマンションは買っちゃダメなのか。ひとつめの理由は、住環境として快適さに欠けるという点だ。

  タワーマンションの高層階はエレベーターでの移動が基本なので、まず、外に出るのに、10分ほどかかる。通勤時の10分は貴重である。

  また、高いということは、それだけ軽く作らないとならない。そのため、住居と住居の間の壁が乾式壁というものになっていて、これは低層マンションで使われる壁に比べて軽い分、遮音性が劣るケースも多い。

  高層階では窓が開かない物件もあり、そうなると、停電になってエアコンが止まると、室温調整ができなくなる。

修繕という課題

  もう一点は、「どうやって修繕するのか」という指摘だ。不動産関係者や建設関係者たちがこれをよく話していた。
実際、あるタワーマンションの修繕をゼネコンが断ったという話も聞いた。低層マンションならば、足場もすぐに組めるし、修繕もスムーズに進む。しかし、タワーマンションともなれば、そうはいかない。足場を作るわけだが、作業員の安全も考えると、もうひとつ簡易なビルを建てるようなものだろう。

  新宿などの高層オフィスビル街が

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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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