杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター
1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
人気TBSドラマに登場するアラフィフ処女というリアリティ
今クールのテレビドラマで話題になっているのが、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)だ。派遣切りになったヒロインみくりが、家事代行の仕事を通して知り合ったサラリーマン津崎と偽装結婚するというストーリーだ。エンディングテーマで、出演者が披露する「恋ダンス」の動画も注目され、視聴率は右肩上がりとなっている。このドラマは、2014年に『このマンガがすごい!』でランクインしたことから、ブレイクした海野つなみ原作の同名コミックスをドラマ化したものだ。今回は、一原作ファンの視点から、このドラマを見てみたい。
この数年、私は『逃げ恥』の熱心な愛読者で、普及活動もしていた。編集者や記者などに「なにか面白い話題はありませんか?」と訊かれると、必ずこの漫画の名前を挙げ、「ヒロインの伯母である百合ちゃんは52歳。処女のまま閉経を迎えたという設定で」と話し、今、いかにアラウンド50の処女が面白いかと語った。
私の周囲にも百合ちゃんみたいな女性がいて、大抵は美人で仕事もちゃんとしている。バブル時代に社会に出て、セックスなしでも男性にちやほやされ、そのままきちゃった人たちで、鬼のように貞操観念が強い。
アラウンド50の処女......という設定は、
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