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元祖「4回転王」ストイコが語る5回転の可能性

男子のジャンプが急激に進化したのはなぜか

田村明子 ノンフィクションライター、翻訳家

 9月末にカナダで開催された「オータムクラシック」で羽生結弦が4ループを成功させ、ISU(国際スケート連盟)に正式に承認された。

 これでトウループ、サルコウ、ルッツ、フリップ、ループの順番に、5種類の4回転ジャンプが試合で出揃ったことになる。

 2010年バンクーバーオリンピックでは、4回転を跳ばなかった選手が金メダリストになり物議を醸したのが、昔のことのようだ。

 現在の男子シングルでは最低でも2種類の4回転が必要とされる。SP(ショートプログラム)で2度、フリーで3度は4回転を跳べなければ世界のトップを狙うのは難しい時代になったのだ。

 この男子の技術の怒涛のような急激な進化は、どうして起きたのか。

 そして男子のジャンプの進化はどこまで進むのだろうか。

4回転を見て育った世代

 「今の若い選手たちは、子供の頃から4回転ジャンプを見て育ってきました。4回転は普通のものだと脳が受け入れた状態で、トレーニングをしてきたのです。みんながやっているから、自分もいつかはできるように練習をしていく。そういう気持ちは、私たちの世代にはなかったことです」

男子シングルで優勝したエルビス・ストイコ201203拡大2000年2月の四大陸選手権(大阪)で優勝した時のエルビス・ストイコ
 そう語るのは、1994年から1997年の間に3度、世界選手権のタイトルを手にしたカナダのエルビス・ストイコである。

 スケートカナダの会場に現われたストイコは、短い時間ながら筆者の単独インタビューに応じてくれた。

 「ぼくたちの世代にとっては、4回転はノーマルな技ではなかった。手探りのようにして、跳び方を試行錯誤していったものです」

 現在44歳のストイコは、そう説明する。

ストイコが築いた4回転の時代 ・・・続きを読む
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筆者

田村明子

田村明子(たむら・あきこ) ノンフィクションライター、翻訳家

盛岡市生まれ。中学卒業後、単身でアメリカ留学。ニューヨークの美大を卒業後、出版社勤務などを経て、ニューヨークを拠点に執筆活動を始める。1993年からフィギュアスケートを取材し、98年の長野冬季五輪では運営委員を務める。著書に、『挑戦者たち――男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて』、『パーフェクトプログラム――日本フィギュアスケート史上最大の挑戦』、『銀盤の軌跡――フィギュアスケート日本 ソチ五輪への道』(ともに新潮社)などスケート関係のほか、『聞き上手の英会話――英語がニガテでもうまくいく!』(KADOKAWA)、『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)など英会話の著書、訳書多数。

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