メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

羽生結弦に期待するのは4回転4本ではない(下)

「見せるスケート」と「スポーツとしてのスケート」、両方で頂点を

青嶋ひろの フリーライター

 スケートカナダでの羽生結弦の「ホープ&レガシー」は、さすがにトロントで鍛えられたスケーティングの美しさは損なわれず、「ジャンプだけのプログラム」ではなかった。

 しかし現在は、スケーティングだけが達者でも足りない。ジェイソン・ブラウン(アメリカ)が要素と要素のつなぎの濃さで高く評価されるように、宇野昌磨が2本のトリプルアクセルの両方をステップから跳んで出来栄え点を上げているように、プログラムの細部までフィギュアスケートの粋で埋め尽くすような演技が、特にトップ選手には期待されている。

エキシビションで2016年11月、NHK杯のエキシビションで

 羽生結弦とて、ジャンプだけで世界の頂点に立ったわけではない。深いエッジで踏むステップなど、見せられるものは4回転以外にたくさんある。それなのに、

・・・ログインして読む
(残り:約2915文字/本文:約3283文字)