菘あつこ(すずな・あつこ) フリージャーナリスト
立命館大学産業社会学部卒業。朝日新聞(大阪本社版)、神戸新聞、バレエ専門誌「SWAN MAGAZINE」などに舞踊評やバレエ・ダンス関連記事を中心に執筆、雑誌に社会・文化に関する記事を掲載。文化庁の各事業(芸術祭・アートマネジメント重点支援事業・国際芸術交流支援事業など)、兵庫県芸術奨励賞、芦屋市文化振興審議会等行政の各委員や講師も歴任。著書に『ココロとカラダに効くバレエ』。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
ライター、編集者、デザイナー、カメラマンらが参加、関東で30年、関西で20年
最近、アルバイトの労働組合が出来たことが話題になったり、数年前には派遣社員の労働組合が出来て、一定の成果をあげているようにみえるのが興味深い。企業内組合ではない、個人加盟の組合という意味では、実は私も「出版ネッツ(ユニオン出版ネットワーク)」という、フリーランスのライター、編集者、デザイナー、イラストレーター、カメラマンなどが個人加盟する労働組合に入っている。
さまざまな出版社が加盟する出版労連傘下の労働組合だ。実は、しばらく離れていたのだが、一昨年再加入したら、さっそく関西支部(出版ネッツ関西)の2017年新年会&名刺交換会の担当をおおせつかり、1月27日夕方に神戸のフロインドリーブで行うパーティーの準備に微力なら加わらせていただいているところだ。
労働組合というと、企業内で労使交渉を行う──といったイメージが一般的には強いと思うので、「個人加盟の労働組合っていったい何をするの?」と、ピンと来ない方も多いかも知れない。一言で言うなら“助け合い”というのが、設立当初からの大きな柱といえそう。
原稿料などの不払いがあっても個人では無視される事例が多いのだが、それを団体で交渉したり、勉強会を行ってスキルアップをはかったり、同時に共済加入にもなるので、怪我や病気の際、いくらかの給付があったり。また、基本的に一人で仕事をしている人が多いのでリクレーションや交流会も気分転換になると同時に、ちょっとした相談ができる仲間が見つかったり。
30年前、1987年に設立され、1996年には関西支部「出版ネッツ関西」も発足。現在の執行委員長で、長年、関西で活躍されている千葉潮さんにお話を聞くと、関西支部の発足は、阪神淡路大震災がきっかけなのだという。
その時、パソコンなど仕事に必要な機材が壊れてしまったり、事務所がなくなってしまったり、仕事先が倒産して仕事がなくなったり、逆に仕事をしないと行けないのに自宅が壊れたり怪我をしたりで出来ない状況になったり……そんなフリーランスがたくさんいた。当時、大阪と神戸では随分状況が違い、大阪はすぐに通常の状態に戻っていった。
そんな中、パソコンを貸し出したり、代わりの人を紹介したり、また、少し落ち着くと、なくなった仕事を取り戻そうと“仕事起こし”を目指した“フェスタ”というイベントを行ったりした。このフェスタ、だから第1回は神戸で行われた。だが、その後、出版ネッツ関西が関西全域の活動になる中、出版社や広告代理店の多い京都や大阪で開催するようになり、20年ぶりに今回、神戸で新年会をする──という形だ。
現在の関西支部長、原章さんは、阪神淡路大震災の時、西宮に住んでいて自宅が半壊。幸い家族は
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