高レベルの世界ジュニア選手権、トップ3の未来
2017年03月28日
台湾の台北市で開催されていたフィギュアスケートの2017年世界ジュニア選手権も無事に終了し、今年も新しいジュニア世界チャンピオンたちが誕生した。
男子は中国系アメリカ人、16歳のヴィンセント・ゾウ(アメリカ)がSP5位から逆転して初優勝を決めた。フリーでは4ルッツと2度の4サルコウ、2度の3アクセルを含むプログラムをノーミスで滑りきった。現在4ルッツを武器にしている男子は、ボーヤン・ジン(中国)、ネイサン・チェン(アメリカ)、そしてこのゾウと全員中国系の選手であるのは興味深い。
ジュニア男子も、最低2種類の4回転が必要な時代に突入したようだ。
だが4種目の中でもっとも印象的だったのは、女子のトップ3の戦いだろう。
SPトップ3選手が、全員ノーミスのフリーを滑り、3回転ジャンプを7度ずつ降りた。ジャンプを中心に考えるなら、これほどレベルの高い試合はシニアでもめったに見ることはない。
ここ数年、ジュニア女子ではロシアと日本がトップ争いを続けてきたが、ロシアが1歩も2歩も先を行っている感は否定できなかった。
そんな中で、5年続いたロシアの連覇を止めた本田真凜の昨年度(2015―16年シーズン)の金メダルは、重みがあった。優勝候補だったポリーナ・ツルスカヤ(ロシア)が負傷して棄権したとはいえ、与えられたチャンスを逃さずにしっかりものにしたのは、彼女がトップアスリートに求められるものを、全て兼ね備えていたからこそである。
だが今シーズン、またロシアから新たなライバルが現われた。
ロシアの14歳、アリーナ・ザギトワだ。本田がインフルエンザで直前に欠場となったジュニアGPファイナルで、総合207.43というジュニア女子歴代最高スコアを出して優勝。ここ過去数年間、次々と出現している「ロシアの天才少女」の後継者である。
SP、フリーとも、前半をコンビネーションスピンとステップシークエンスで埋め、ジャンプは全て10%ボーナスポイントがつく後半に持ってくる。よほどの体力とジャンプ能力がなくては、できない構成だ。
だがそれだけではない。
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