最もレベルの高い大会になった男子、試練の日本女子
2017年04月11日
――男子フリーの結果についてどうご覧になっていますか?
杉田秀男 世界選手権は1970年から、見てない大会のほうが少ないくらい試合を見てきました。年々レベルが上がっていくのは当然だけど、ここまでレベルの高い大会は初めてでした。羽生結弦の活躍はもちろん、これまで対象にしていなかった若い選手も伸びてきた。つい2年くらい前までは、4回転を2回やったらすごいことだった。この試合では失敗したものも含めると、フリーで4回転ジャンプは合計51個もあった。それだけお客さんは喜んでいましたし、声援も偏っていなかったですね。
――優勝した羽生結弦の演技は、どうご覧になりましたか。
杉田 すばらしかった。ぼくは今まで羽生の演技を見ていて、今回ほど胸にぐんとくる演技は初めてでした。今までもいい演技はあったけれど、ああいう状況の中で、あれだけの演技をする彼の気持ちの強さ、技術。見に来て良かったと思います。
――彼の最大の長所は?
杉田 動きが止まらないところ。体の動作が流れの中でやっていくので、構えが無い。ジャッジが評価する1つは、ジャンプへの滑走準備の時間がほとんどないこと。たいていの選手は、難しいジャンプは長々と構えて準備をする。でも実際は長くなればなるほどリズムが狂うので、ミスは出やすい。ジャンプはリズムとタイミングです。彼のやっているのは簡単そうに見えるけれど、
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