高倉体制の国内デビュー・コスタリカ戦で勝利、監督が示した「マイナス4」の意味
2017年04月14日
4月9日、日本サッカー協会は女子日本代表「なでしこジャパン」(世界ランキング6位)とコスタリカ女子(同30位)の親善試合(3-0)を復興支援としてこのスタジアムで主催。それは、スポーツの持つ前向きなメッセージを熊本スポーツのいわばシンボルから発信するだけではなく、昨年、リオデジャネイロ五輪出場権を逸した日本女子サッカー界にとってもまた、再生への大切なスタート地点、国内デビュー戦ともなった。
高倉麻子氏(48)が、20年東京五輪を目指してサッカーでは初の女性代表監督に就任して1年が経過したが、試合はこの日まで7試合(2勝1分け4敗)全て海外遠征で行われてきた。国内戦は、リオ五輪アジア最終予選で出場権を逃がす(大阪)惨敗を喫して以来1年ぶりでもある。
「復興支援はもちろん、被災地での皆さんの勇気にこちらが教えられた。私たちにとって本当の意味で、20年東京、19年フランスW杯のスタートを切る試合になる」
そう話していた監督のメッセージは、メンバーの平均年齢に明確に表れた。11年ドイツW杯優勝から五輪出場を逃がすまで、世代交代が困難になってしまった昨年までは先発平均も27.2歳。それがコスタリカ戦では22人でも23.3歳と4歳近く若返った。
「年齢で選手を評価した事はありません」
監督は試合後、そう明言して加えた。
「きょう先発に選んだ選手たちの若さ、経験には(ベテランとの)大きな差がない、と思えた試合だった。まだ一度も代表に呼んでいない選手があと数名、それに今の選手たちを加えたチームが、フランスW杯、東京五輪へのベースになっていくと考えます」
4大会連続での五輪出場を逸してから、タイトル戦や予選がなかったこの1年間、監督は時間をかけて代表選手を選び、試し、また選ぶ作業を地道に繰り返した。チームの顔となるキャプテンマークを、澤穂希から宮間あや、次に誰の腕に巻かせるのか。それさえ1年かけてようやく、W杯優勝メンバーのDF熊谷紗希に渡すほど慎重を極めた。
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