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「試合で全選手の演技を見た」宇野昌磨の可能性

あと必要なものは「ペース配分」のための十分な体力

田村明子 ノンフィクションライター、翻訳家

宇野昌磨拡大宇野昌磨はどこまで進化するのか

 4月23日、無事に国別対抗戦が終了し、日本チーム優勝という最高のフィナーレで今季もフィギュアスケート競技シーズンの幕が閉じた。

 今シーズンを振り返り、もっとも印象的だったことの1つは19歳の宇野昌磨の成長ぶりである。

 2017年ヘルシンキ世界選手権では銀メダルを獲得し、表彰台に上がった。さらに国別対抗戦ではSPで1位、フリーで2位と、安定した強さを見せて世界選手権の結果が偶然ではなかったことを証明して見せた。

 シニアデビューして2年目となった今シーズンだが、その成長度は凄まじいまでの勢いだ。

「笑顔で終わるために」

 ヘルシンキ世界選手権のフリー後の会見で、宇野はこう口にした。

 「結果も嬉しかったし、それ以上に昨(2015-16)シーズンの世界選手権での涙が、こうして笑顔で終わることができたのがすごく嬉しかったです」

 2016年ボストン世界選手権では、実力が発揮できずに7位に終わる。それからの1年間、ひたすら雪辱を果たし、シーズンを笑顔で終えるために努力を続けてきたのだという。

 昨年の夏や年末に、ジャンプなど技術指導で定評のあるシカゴのコーチ、アレクサンドル・アウリアシェフのところに短期合宿に行ったのも、強化活動の一つだった。

 「(4回転)フリップを跳べた状態で行ったんですけれど、より安定したジャンプを目指して行きました。今年トウループがだいぶ安定してきたのはアレックス先生の指導があってのことだと思っています」

 今シーズンは4回転フリップのみならず、世界でまだ羽生結弦しか試合で成功させていなかった4回転ループもあっさりマスターし、試合に組み入れてきた。

 だがフィギュアスケーターとして宇野の面白いところは、 ・・・ログインして読む
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筆者

田村明子

田村明子(たむら・あきこ) ノンフィクションライター、翻訳家

盛岡市生まれ。中学卒業後、単身でアメリカ留学。ニューヨークの美大を卒業後、出版社勤務などを経て、ニューヨークを拠点に執筆活動を始める。1993年からフィギュアスケートを取材し、98年の長野冬季五輪では運営委員を務める。著書に、『挑戦者たち――男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて』、『パーフェクトプログラム――日本フィギュアスケート史上最大の挑戦』、『銀盤の軌跡――フィギュアスケート日本 ソチ五輪への道』(ともに新潮社)などスケート関係のほか、『聞き上手の英会話――英語がニガテでもうまくいく!』(KADOKAWA)、『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)など英会話の著書、訳書多数。

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