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AIが奪う“長く働くなら一般職”の選択(下)

地域限定総合職は女子にとって本当に良い働き方なのか

杉浦由美子 ノンフィクションライター

 前回、AIの導入普及によって、今後は企業の一般職が減っていくと書いた。

 しかし、ここで違和感をもつ読者の方もいるだろう。現在、一般職採用というのをあまり目にしない。

 その代わりに登場しているのが、「地域限定総合職」「エリア職」といった単語だ。

 就職関係のデータを見ていると、銀行などにも「地域限定総合職」「エリア職」といった言葉がでてくる。本稿では「地域限定総合職」に統一する。

1985年の東京都千代田区一ツ橋のオフィス街。大卒でも女性に与えられる仕事は補助職が多かった拡大1985年の東京都千代田区一ツ橋のオフィス街。大卒でも女性に与えられる仕事は補助職が多かった
 先に述べたように、現在、事務作業はコンピューター化が進んでいるので、女子も男性総合職と同等の能力がないと正社員としては採用されない。しかし、女子は転勤がある仕事を徹底して嫌う。能力や意欲はあるが、転勤だけはごめんだという女子を採用するために、企業は一般職採用をなくし、「地域限定総合職」採用をしている。

 今回はこの「地域限定総合職」は実際に一般職とどう違うのか。そして、女子にとって働きやすさを提供してくれるのかを検証してみたい。

総合職と同じ仕事を任され転勤がない

 総合職と同じレベルの仕事をさせてもらえて転勤がない。転勤がないと、彼氏との関係を深めることもできるし、その彼と結婚し出産しても仕事を続けられる。これだけ書くと「地域限定総合職」は夢のような職種である。

  しかし、実際には待遇に差が出てくる。住宅手当は転勤がある総合職だけに出て、地域限定職には出ないという企業もしばしば存在する。地域限定総合職は未婚のうちは実家から通い、結婚したら夫と暮らすから、家賃補助はいらないだろう、という発想なのだろう。

  大手企業で地域限定総合職として働く20代女性がいう。

  「同一労働同一賃金になっていない。営業成績がずっと下の総合職が、私より多くもらっているとなれば、不満が生じてきます」

  また、昇進の面では大きく差がでる。

  人材コンサルタントはいう。

  「今後は民間企業でガラスの天井なんてありえない。人材不足だから女性だろうと能力があれば

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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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