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東大女子が入れるテニサーが2つしかない訳(上)

高学歴女子は差別されるという幻想はどこから来るのか

杉浦由美子 ノンフィクションライター

  少し前に「早稲田のインカレで、早稲田の女子学生お断りというサークルがある。差別だ」という問題がネット記事になり、注目を集めた。

  ようは早稲田の男子学生と女子大の学生で構成するので、早稲田の女子はくるな、ということだ。
だが、記事の中には、実際には早稲田の女子を門前払いするサークルはほとんどないとも書かれている。

  ところがだ。いまだに女子学生がインカレのテニスサークルには入れない大学が存在する。東大である。

東京大学の女子学生向けに作られている情報誌の創刊号を開くスタッフたち=2011年6月12日、東京都目黒区駒場3丁目拡大東京大学の女子学生向けに作られている情報誌の創刊号を開くスタッフたち=2011年6月12日、東京都目黒区駒場3丁目
  現役の東大医学部の女子学生はいう。

  「東大に入ってジェンダー問題を考えるようになった。入学して、サークルの勧誘活動が盛んな時期に、女子学生は無視をされる」

  サークルに勧誘されるのは男子ばかりで、女子には声がかからないというのだ。
そして、彼女はこうも話す。

  「東大には公認のテニスサークルが沢山あるのに、東大の女子が入れるのは2つだけ」

  この「東大の女子が入れるテニスサークルは2つしかない」という話は、私が教育関連を取材している中でもよく聞かされてきた。それは必ず「高学歴女子への差別」という文脈で語られてきた。
差別だと訴える人はこう考えるのだろう。

  “テニスサークルは男女の出会いの場である。多くのサークルは東大の男子と女子大の学生で構成されている。東大の女子がいると、女子大の子がしらける。それに男子学生は東大女子を恋愛の対象として見てないからいらない。ゆえに東大の女子学生はインカレのテニスサークルに入れてもらえない、これは差別だ”

  しかし、これは事実と違うのだ。関係者たちに話を聞くと、東大女子が入れるテニスサークルが2つしかないのには極めて合理的な理由がある。

東大の学生の80%は男子

  東大全体の学生数の男女比は圧倒的に男子が多い。たとえば、2017年の入学者をみてみると、入学者の総数3130人のうち、女子は637人である。男女比8:2だ。なぜ女子が少ないかといえば、東大の入学者の過半数は理科I類、理科II類が占める。つまり、理系入学者が多いので、女子の数は少なくなる。

  このように男女比が偏っているのに、東大生のみで形成される公認テニスサークル(以下、便宜上、学内テニスサークルと書く)では何十年も定員を男女同数に設定している。

  なぜ同数かといえば、そうしないと、男子ばかりのサークルになってしまうからだ。学生が

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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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