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東大女子が入れるテニサーが2つしかない訳(中)

東大内部で女子学生はどう扱われるのか

杉浦由美子 ノンフィクションライター

  「東大の女子学生が入れるテニスサークルが2つしかない」。この事実は「いかに東大で女子学生が虐げられているか」「女子大の学生が入れて、東大の女子が入れないテニスサークルが多いのは、高学歴女性は性的な魅力に欠けるという差別」というストーリーの上で語られてきた。しかし、それは違うということを前回説明した。詳しくは前回の記事をご覧いただきたい。

  テニスサークルは男女の出会いの場であり、そこに高学歴女子(東大の学生)はいらないというストーリーはどこからくるのだろうか。

  今回はこの言説のルーツを探ってみよう。そのために、東大で女子学生はどう扱われているかみてみよう。

数が少ないので「モテる」

  『東大卒でスイマセン「学歴ありすぎコンプレックス」という病』(中本千晶・中央公論新社)の中で、1980年代終盤に東大に通っていた中本はこう書いている。

  「こうして東大に入学した女子学生たちが最初に覚えるのは、クラスやサークルで多くの男性に囲まれるなかで、『ナイトに囲まれたお姫様』とでもいうべき役を演じることである。オスとメス、どちらかが極端に少ない環境においては、少ないほうの性が大切にされたり、いばっていたりするのが自然の摂理だ。私が在学した当時の東大の女子学生も然りであった。振り返ってみれば、大学時代が私にとって人生最大の『モテ期』だった」

  この著書の中で中本は、男子学生のマジョリティは名門男子校出身者で、彼らは2つに分かれるという。

  「『ナイト』として東大の女子学生を大切にしてくれるタイプと、東大内の女性は眼中になく、ひたすら他大学の女子学生に突進していくタイプである」

  中本と同世代の東大出身の女性たちもこれと似たようなことをよく口にする。学内の女子とつきあいたがるタイプと、女子大の女子を追っかけるタイプだ。

  しかし、最近は男子の価値観も変わってきている。

  東大関係者がいう。

東大本郷キャンパスの赤門=2014年、東京都文京区拡大東大本郷キャンパスの赤門=2014年、東京都文京区
  「今の男子学生の大半は『東大の女は嫌だ』とは考えません。
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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