杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター
1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。
極楽とんぼの山本圭壱は地上波でまた活躍できるのか
amazonプレミアムの人気番組『ドキュメンタル』はシーズンを重ねるごとに面白くなっていく。次回は冬に公開ということで待ち遠しいが、今回は、シーズン3で極楽とんぼ山本圭壱が出演したことを取り上げ、不祥事タレントは復活できるのかということに関して考えたい。
『ドキュメンタル』シーズン3の目玉の一つとして、極楽とんぼの山本圭壱の出演があった。
2000年初旬までは、テレビの売れっ子タレントだった彼はなぜ姿を消したか。『ドキュメンタル』番組内でもそれは言及される。共演者から「なぜ休んでいたのか」と訊かれると、山本は「2006年につまずいて」と言い、さらに突っ込まれると「淫行」と答える。
この淫行スキャンダルは衝撃的なものだった。山本は2000年前後にテレビで活躍していた。バラエティ番組で山本は女性蔑視的な発言や振る舞いを繰り広げ、共演者の女性たちに不快そうな表情をさせていた。これが彼の持ち味だった。その彼の淫行報道がされた時に私は大いに驚いた。
テレビに出ている人たちは、テレビのイメージと実際が全く違うことが多い。お馬鹿なチャラ男キャラで売っている男性タレントが実は礼儀正しく努力家で賢かったり、ブスだけど性格がいいイメージの好感度タレントが実際に会うと美人で暗く嫌みな性格だったりもする。ところが、山本の場合、セクハラキャラで売っていたのに、実際も一般女性へ非紳士的な振る舞いをしていたのだから。テレビのままのキャラクターなのか、と非常に驚いた。
山本圭壱は『ドキュメンタル』ではおとなしく見せ場はなかった。しかし、よく見ているとやはり他にない技量のあることが分かる。番組の最初の方で、出演者が軽く言い争いをするシーンがあった。お互いにジャブをかましあうようなシーンだった。そこに山本が「なに?喧嘩?」と割り込んでいく。すると
・・・ログインして読む
(残り:約1015文字/本文:約1857文字)
WEBRONZAではこんな記事も人気です。もう読みましたか?