世界選手権で史上最多4個のメダルを獲得した「フェアリージャパンPOLA」
2017年10月02日
日本列島を大型の台風が直撃した9月17日、東京・北区にある日本スポーツのいわば「秘密基地」とも呼べる国立スポーツ科学センター(略称JISS)の新体操場では、悪天候にもかかわらず、9歳から16歳まで史上最多となる122人もの女の子たちが全国から集まり代表選手の「トライアウト」(選考会)が行われていた。交通機関の混乱が心配されたが遅刻者は出ず、地方から上京できなかった選手もわずかな数だったという。
山﨑浩子新体操強化本部長(57)は「悪天候のなかこれだけ多くの方々に集まって頂いて感謝します。同時に、責任の大きさも痛感しています」とあいさつ。
強化体制を一新してから約10年かけて、世界選手権(イタリア・ペーザロ)で団体総合(銅)、団体種目別「ロープ・ボール」で銀、同「フープ」で銅、また個人種目別フープの皆川夏穂(イオン)の銅と、史上最多4個のメダルまでたどり着いた戦績と、それがこれだけ多くの関係者の「夢」となった現実、その両方の成果に2020年東京五輪、さらにその先の指導に気持ちを新たにした。
アテネ五輪を前に団体総合の出場枠を失う敗戦を機に、山﨑本部長を中心に先ず団体に特化した強化策を取った。全国からオーディションで選手を選抜し、どの競技でも異例とされる通年合宿を実施。衣・食・住に加えコンディション管理も常に一緒に行う大胆な強化策は、07年、北京五輪の団体出場枠を確保し認知される。
日本体操協会、各クラブ、指導者、スポンサーが支援体制を固め、新体操で世界を目指そうという少女たちの夢が加わった。皆川をはじめ、世界No.1のロシアで合宿を行いながら個人種目にも手をかける充実した強化策が実ったといえる。
イタリアで結果を残したばかりの現・フェアリーたちも、プロポーションチェックに始まり、ダンス、リズム感、手具の扱い、団体種目での協調性など細部に及ぶトライアウトを受けなくてはならない。
17日、他の参加者と同じに、名前を手書きしたゼッケンを胸と背中に貼って臨んだフェアリージャパン・杉本早裕吏(さゆり)主将は「私たちも
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