しゃべりすぎるキーマンの逮捕と時間稼ぎか、捜査に期待するより選挙での審判が本筋
2017年10月05日
今春から騒がれてきた森友学園の籠池夫妻が、2017年7月31日大阪地検特捜部によって逮捕された。容疑は、国土交通省の「サスティナブル建築先導事業に対する補助金」に対する詐欺容疑である。そして、8月21日、今度は、大阪府に対する補助金詐欺と同未遂の容疑で再逮捕された。
まず31日の逮捕には、二つの注目点がある。第一は、夫婦ともに身柄拘束したことである。法律上は、「逃亡のおそれ」または「罪証隠滅のおそれ」があるときのみ身柄拘束されるのであるが、逃亡のおそれは全くなく、罪証隠滅しか理由にできないのだが、逮捕に踏み切っている。そのうえ被害額が小さく、被害弁済までされていることを考慮すれば身柄をとるような事件ではない。
この点については、第二の逮捕がきたこともあって、何が起きているのか予測することはたやすい。ストレートに言えば、籠池夫妻を黙らせるためであろう。これまでも「しゃべりすぎるキーマン」の逮捕ということは何度も起きている。1998年の大蔵省接待汚職事件の際の野村証券法人営業管理部課長代理の別件での逮捕、2002年の三井環・元大阪高等検察庁公安部長の逮捕を例としてあげておこう。
さて、問題は、なぜ黙らせたいかである。森友事件は、補助金詐欺法違反に絞ってさえ関係者が多数いる。籠池氏の独演でないどころか、彼が中心でないことは間違いないであろう。補助金を直接ではなく、工事代金としてや、建物の設計費として間接的に受け取った者や、様々な仲介者がいるはずである。どこまでを検挙のターゲットにするか、現実には、どこかで線引きが必要になる。捜査打ち止めラインを引く際に、しゃべりすぎる人物は邪魔である。
第二の注目点は、補助金適正化法違反ではなく、詐欺罪の容疑で逮捕したことである。特別法は
有料会員の方はログインページに進み、デジタル版のIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞社の言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください