2002年ソルトレイクシティ五輪ペア王者が語る技術の進化
2017年11月03日
この15年前の五輪ペアチャンピオンは、実は現在のフィギュアスケートを語るにおいて重要なキーパーソンである。国際スケート連盟(ISU)創設以来、100年以上続いてきた6点満点採点システムが、2004年に現在の採点方式に変わった原因に、彼らが大きく関わっていたのである。
「関わっていた、というのは偶然にすぎません。あれはどの選手にも起こりうることでしたから」とペレティエは口を開き、ちょっと苦笑した。
旧採点方式が見直される直接の原因になったのは、2002年ソルトレイクシティ五輪のペア採点疑惑である。この大会のペアは、カナダのサレ&ペレティエと、ロシアのエレーナ・ベレジナヤ&アントン・シハルリーゼの間で優勝が競われた。
この事件をきっかけとして、もっと主観が少なく、不正を簡単にできない採点方式を望む声が高まり、急ピッチで開発されて2004年に施行されたのだ。
「フィギュアスケートに限らず、競技スポーツではルールが変われば選手はそれに合わせて順応していくというのは、ごく当たり前のことです」とペレティエ。「すべてのスポーツについて言えることですが、現在のトップスケーターたちは私たちが現役のころに比べて、肉体的にも強靭になり、技術も格段に進歩してきました」とサレが続けた。
当時のペアでは、トップチームでも二つ目のサイドバイサイドのジャンプは2アクセルで十分だった。現在は3トウループのコンビネーションと3サルコウを入れるのが普通で、中にはメーガン・デュハメル&エリック・ラドフォード(カナダ)のように3ルッツを入れる組もいる。
こうした技術の向上は、現在の採点システムがもたらしたものが大きいことは、彼らも同意する。
「その良い例が
有料会員の方はログインページに進み、デジタル版のIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞社の言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください