杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター
1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。
進次郎が着た緑のスカジャンが完売、小池グリーンから進次郎グリーンへ
10月の衆議院選挙は結局、自民・公明の与党が議席の3分の3を獲得した。野党が自爆したことが与党にとって有利に動いた。
しかし、この人の活躍も記憶に鮮明に残っているはずだ。応援演説にメディアに引っ張りだこだった自民党の衆院議員小泉進次郎である。
他の候補者の応援演説に駆け回ったために、自分が立候補している選挙区には、ほとんど行けなかったが、15万票を獲得し当選。また、選挙中に彼は緑のスカジャンを着た。緑といえば希望の党のイメージカラーであるが、気にせず身につけるところに進次郎らしさがある。このスカジャンは58000円(税抜き)と高価であるにもかかわらず、完売し、ネットオークションにも出品され、定価以上の値段で取引されている。
スカジャンは若い女性を中心に人気が復活している。フェミニンなスカートに、ボーイッシュなジャケットやジャンパーを合わせるの”ミスマッチ”な組み合わせが流行していて、スカジャンもミニスカートなどと合わせるとトレンド感が出るからだ。
女性に人気がある進次郎氏着用のスカジャンが売れるのは想定内の騒動だ。
進次郎は、とにかく、女性たちから支持されている。私が取材で会う女性たちも「進サマ」と彼を呼ぶし、女性をターゲットにした昼間のワイドショーでも、しばしば取り上げられる。
情報番組『バイキング』(フジテレビ系)の中でタレントのYOUは「独身の中でマジ一番好きかも。お話し上手だし、やっぱり、足を使ってやってることも分かるし、顔いいじゃんか、家いいじゃんか。悪いところが今のところないんですよね」と進次郎を大絶賛し、それがネットニュースサイトでも取り上げられていた。
他の出演者の女性たちも進次郎を絶賛する。お笑いタレントの柳原加奈子も「大好き。入閣とか分からないけれど」といい、高橋真麻は「二世って叩かれやすいじゃないですか。どの業界でも。そんな中でこれだけ人気あるということはご自身の力がすごくあるんだと思う」とコメントした。高橋真麻自身も二世タレントとしての苦労を経験しているからこそ、進次郎氏の努力が分かるようだ。
高橋真麻がいうように、芸能界でも政界でも二世への風当たりは強い。なぜか。一つは、親の七光りでチャンスを得たという既得権への反発。そして、もう一つは、芸能界でも、政界でも二世が不祥事やスキャンダルをしばしば起こすからだろう。ところが進次郎は
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