未成年の被害者が携帯電話にフィルタリングをしていれば犠牲になっていなかった
2017年12月13日
まず、日本人の殺人事件について調べた経験から、この事件の特徴を整理する。被害者の数に注目すれば、これまで、被害者数が10人を遥かに超える事件は、数えてみるとかなりある。しかし、最大の津山の30人殺しも、相模原の障害者施設殺傷事件の19人も、一度の機会で多数殺害している事件がほとんどであり、日を置いて連続殺人の形でこれほどの人数の被害者を出したのは、古谷惣吉(犯行時・1965年)と大久保清(同・71年)ぐらいしかいない。
なお、8人から10人を一挙に殺害するのは、一家皆殺しのさいの家族人数が多かったせいもあって、過去には多数存在する。ここで海外に目を向ければ、30人、50人を長きにわたって1人ずつ殺害した事件が多数存在する。
しかしこれは事例を検討すれば、犯人の能力や特異性ではなく、警察が検挙できないから起きていると考えられる。そこから逆に、日本の場合、連続殺人が、少人数に留まるのは、警察が逮捕してしまうからだと考えられる。
今回の事件は、以上の考察と見事に符号する。今回9人もの犠牲者がでたのは、犯人の犯罪者としての高い能力のせいよりも、警察が捕まえられなかったせい、それも9人目の犠牲者が出るまで、殺人事件が起きていることさえ発覚していなかったことが原因である。
この部分が最大の注目点として後で考察するが、先に、犯罪者側の特徴について簡潔に見ておきたい。いわゆるバラバラ殺人事件は、ほとんどの場合は、犯罪者が遺体の処理に困って発生する。
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください