政策シンクタンク不在の日本の25年にも光明の兆しはあった
2018年02月16日
加藤創太氏(東京財団常務理事・上席研究員)がWEBRONZAに記した「日本の民主主義に足りないもの」(2017年12月15日)を拝読し、筆者が15年以上、世に問わなかった論点の封印を解かざるを得ないと感じ、筆をとった。私事に基づく論考となることをご容赦いただきたい。
手元に『頭脳なき国家の悲劇』(講談社)という25年前の本がある。今もAmazonで中古品がわずかに手に入るようだ。軍事アナリストとして著名な小川和久氏が、日本の国家安全保障政策の底の浅さの原因は政策シンクタンクの不在にあると仮説し、日本戦後のシンクタンクの歴史と現在を多面的に取材して論じた書籍だ。
この本に紹介されている「シンクタンクの新しい形」とは、主に「バイラインフォーラム」という、若手気鋭の有識者(毎回の出席者は10~20人)による非公開の定期座談会である。By-Lineとは署名記事の「署名」を意味し、参加者の記名性を重視することとともに、同フォーラム座長および同社研究所長のカリスマ性(この2人だけが当時60代)、集まる方々の分野の広さ、毎回練った「お題」を提示しゲスト講師やフォーラムメンバーにショートスピーチを依頼する電通総研研究員たちのセンス、において特殊な‘自主研究’であった。
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