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勝算なしと疑問視される携帯に楽天が参入する理由

会員を囲い込む「楽天経済圏」戦略のため携帯ショップ網を活用か

石川温 ジャーナリスト

格安スマホ「楽天モバイル」の窓口。携帯大手から乗り換えてくる顧客への説明に追われていた=2015年7月3日、東京都渋谷区拡大格安スマホ「楽天モバイル」の窓口。携帯大手から乗り換えてくる顧客への説明に追われていた=2015年7月3日、東京都渋谷区
 楽天が「第4の携帯電話会社」に名乗りを上げた。総務省が新たに割り当てる周波数帯を取得し、自ら携帯電話会社を運営する計画だ。2019年にもサービスを開始する予定だという。

 NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクに続く、携帯電話会社の誕生により「料金競争が激化するのではないか」という見方がある。確かに、現状は大手3社による寡占状態で、料金プランは「横並び」と言われている。そこに楽天が参入すれば、一気に競争が激化する可能性がある。しかし、大手3社からすれば、楽天の参入は脅威のように感じるどころか、ほとんどの携帯電話会社関係者が、楽天の行動に首をかしげる。

 「なぜ、いまさら携帯電話事業に参入するのか意味がわからない。勝算があるとは全く思えない。三木谷さんの考えが理解できない」(大手携帯電話関係者)。

  楽天が携帯電話事業に新規参入するには、全国に基地局を敷設していく必要がある。すでに大手3社は全国に基地局を敷設し、エリアカバー率も99%を超えている。地下鉄だろうが、離島、山間部などほとんどの場所でスマホが使えてしまう。NTTドコモは1992年7月に営業を開始し、昨年25周年を迎えたが、その間に全国どこででも使える環境を整備してきた。

  NTTドコモでは年間5000〜6000億という設備投資を行い、ネットワークを整備している。一方、楽天は今回の参入にあたり2025年までに6000億円の設備投資を予定している。楽天が7年かけて使う設備投資の額は、NTTドコモの1年分にしかならないのだ。これで、NTTドコモと対抗するネットワーク品質を確保できるかはかなり微妙だ。 ・・・ログインして読む
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筆者

石川温

石川温(いしかわ・つつむ) ジャーナリスト

1975年生まれ。中央大学商学部卒業後、98年、日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社。月刊誌『日経TRENDY』の編集記者として通信、自動車、ホテル、ヒット商品などを取材。2003年に独立後、携帯電話、スマートフォン業界を幅広く取材。近著に『スティーブ・ジョブズ 奇跡のスマホ戦略』がある。有料メルマガ『スマホ業界新聞』を配信中。

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