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暗部が白日にさらされつつあるAV強要問題

相次ぐプロダクション関係者の逮捕、背景に警察の取り締まり強化

久田将義 TABLO編集長

  AV強要が、より社会問題化してきている。2月1日に警察がAV制作会社、プロダクションなどの関係者を集め、説明会をおこなった。

AV出演強要防止を訴え、渋谷センター街をパレードする参加者ら=2017年4月26日、東京都渋谷区AV出演強要防止を訴え、渋谷センター街をパレードする参加者ら=2017年4月26日、東京都渋谷区
  元々この動きは女性弁護士を中心とした人権団体「ヒューマンライツナウ」が火をつけたものと言ってよい。それまでに潜在化していた「AV強要」という業界の暗部が、白日の下にさらけ出されつつある。

  AVが日本に根付いたのは1980年代バブルの時期。今まで、表の世界に出るべきではなかったはずのAV女優が、深夜のテレビ番組に出演し、ある種の市民権を得た。例えば、故飯島愛などは、「朝まで生テレビ!」などの討論番組にも出演。強いカリスマ性を誇った。そして彼女に憧れる女性も増えていった。

  それから30年。AV業界は、より発展し「AV女優に憧れる」という女子はさらに増加。AV女優の地位は向上したかのように見えていた。が、前記の「ヒューマンライツナウ」の活動やそれに触発された、元・現役の有名AV女優が自著などで「グラビアだと思ったらアダルトビデオだった」といった事を告白。またSNS上でも元有名AV女優たちが「強要された」事について、声を上げている、

  世間は「いったんはテレビにまで(あるいは映画やテレビドラマ)進出したAV業界。なのにやっばり中身はダーティなんだ」というイメージを強く持った事だろう。実際、強要は程度の問題こそあれ、「ある」のだからこれをクリーンにしなければAV業界存亡の危機とさえ言える。警察が説明という名目で、「介入」をしてきた事は軽く受け止めてはならない。

 プロダクション関係者の逮捕も相次いだ。淫行勧誘容疑など逮捕理由は事欠かない。全部とは言わないが、元々、AV業界の成り立ちはグレーゾーンだった。

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