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ドラマ『きみ棲み』を楽しめるか否かの差は(上)

暴力で女を支配するイケメンが甘美な存在として描かれるのはなぜか

杉浦由美子 ノンフィクションライター

TBSドラマ「きみが心に棲みついた」の主演、吉岡里帆=2017年12月25日、東京都港区拡大TBSドラマ「きみが心に棲みついた」の主演、吉岡里帆=2017年12月25日、東京都港区
 火曜日夜10時放送の『きみが心に棲みついた』(TBS系)は、視聴率こそ一桁台だが話題作になっている。

  理由はゴールデンタイムのドラマらしからぬ挑戦的な内容だからだ。コンプライアンスが重視され、無難なドラマしか作れない時代に、『きみ棲み』では、女を暴力で支配しようとする男と、その男から逃げられないヒロインが描かれる。そしてその暴力は、殴る蹴るといった単純なものではない。

  ヒロインの今日子は、大学時代に星名というDV男に夢中だった。星名に「俺を本当に好きなら仲間の前でストリップをしろ」と命じられ、今日子は服を脱いで男子学生の前を歩く。終わると星名は「他の男の前で裸になるような女なんて」と吐き捨て、他の女子と去って行く。

  このような経験から今日子は社会人になっても恋愛に消極的だ。そんな今日子を心配した同僚たちが開いてくれた合コンで、彼女は編集者の吉崎と出会い、新しい恋をし、変わろうとする。しかし、そのタイミングで、星名が今日子の会社に出向してきて、再び、彼女を暴力で支配する。そこから今日子はどうしても逃れられない。

  主演の吉岡里帆の健康的な魅力のせいで、コミカルな要素が入り、原作にはない明るさもあるドラマになっている。

足りないものがあるとしたらDV男の描写の緻密さ

  「DV男は飴と鞭で女を縛り付けるが、その飴があまり描かれていないですね。 ・・・ログインして読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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