島英二が新ユニットでアルバムを4月リリース、5月にはグループサウンズ再現ライブ
2018年04月13日
「MY DREAM MY LIFE」というCDがリリースされた。
ジャケットに「そうなんだよ!この空気なんだよな」と書かれた加山雄三さんの直筆メッセージが入っている。聴いてみると、まさに加山さんのそのひと言が、言い得て妙。‘この空気’とは、1960年代にエレキに魅せられ無我夢中になった少年のみが知っている在りし日の感覚、それを彷彿とさせるサウンドであった。このCDは、ワイルドワンズのメンバー島英二さんが古稀を期して制作されたアルバムである。
「やっと前向きに生きていこうという気持ちになりました」と、島英二さんはいう。
加瀬さんの訃報が流れた直後は、世間もその唐突な死を悼み、追悼コンサートや未発表アルバムに着目したが、知らぬうちに3年の歳月が経過していた。
しかし、島さんをはじめ、ワンズのメンバー、加瀬さんがたいせつに育てた銀座ケネディーハウスの面々にとっては、加瀬さんの不在は堪える一方で、心に巣くった空漠感は大きくなるばかり。一瞬たりとも加瀬さんが過去の人になることはなかった。
「ともすれば、ワイルドワンズの音楽活動もトーンダウンしていくところ、加瀬さんの生前となんら変わらずに、今なお支えてくれているのが加山雄三さんです。多忙であるにもかかわらず、月に一度、ケネディーハウスでのコンサートを続けてくれて、事あるごとにご自身のライブにワンズを呼んでくれ、加山さんのおかげで、そしてケネディーハウスがあるおかげで、僕たちは現役でありつづけられる」と、島さんは語る。
加山雄三&ハイパーランチャーズが、銀座ケネディーハウスのステージに立って、今年で23年になる。当時、食道癌を患っていた加瀬さんを応援しようと、親友の加山さんが出演したのが始まりである。儲け度外視、‘出演料は焼き鳥3本’などと話されていたことを覚えている。その95年以来、月に一度のライブは途切れることなく続けられている。
つねづね「加山さんは、僕のヒーロー」と、島さんはいっている。
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