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ソニー社長になった金庫番・吉田氏が問われる手腕

アップルと同じくプレゼン上手のトップの後任は真逆のキャラクター

石川温 ジャーナリスト

ソニーの社長昇格が決まった吉田憲一郎副社長(右)と平井一夫社長=2018年2月2日、東京都港区拡大ソニーの社長昇格が決まった吉田憲一郎副社長(右)と平井一夫社長=2018年2月2日、東京都港区
 2月26日、スペイン・バルセロナ。世界最大級のモバイル関連イベント「Mobile World Congress(MWC)」のソニーブースには、各展示物を熱心にチェックする、同社副社長(当時)の吉田憲一郎氏の姿があった。吉田氏は、その3週間ほど前に、4月からソニーの社長に就任するという発表があったばかりだ。ブースで展示されていた、同社のスマホ「Xperia」の様々な技術的な特徴を復習するかのようにスタッフからの説明に聞き入っていた。

  毎年1月にアメリカ・ラスベガスで開催される家電見本市「CES」や、2月のMWC、9月にドイツ・ベルリンで開催される家電展示会「IFA」には、ソニーの社長であった平井一夫氏が必ずと言っていいほど、流暢な英語で新製品のプレゼンを行っていた。

  日本メーカーのなかでも、平井一夫社長(当時)のプレゼンの上手さはトップクラスを誇る。ソニー社員のなかには「そこに平井さんがいるだけで絵になる。新しいものを生み出そうとするソニーの象徴的存在だった」と振り返る。

  平井社長が、毎回、プレゼンで語っていたのが「WOW」もしくは「KANDO(感動)」というフレーズだ。

  2012年に平井氏が社長に就任した当時、ソニーはどん底であり、ヒット商品に乏しく、かつての輝きを失っていた。平井社長は パソコン「VAIO」の部隊を分社化して切り離すなど、リストラを進めた。

  本丸であるエレクトロニクスが低迷するなか、ソニーが目指したのがプレミアム路線だ。テレビは価格競争を避けようと4Kに活路を見いだし、オーディオはハイレゾで勝負を挑んだ。台数のシェアを追わず、高付加価値路線を貫いた。

  平井氏はさらにユーザーが感動できる物作りをしようと躍起になっていた。出来上がった製品が、12年ぶりの復活となる犬型ロボット「aibo」だ。

  平井氏は「業績が上向くのが見えている中 ・・・ログインして読む
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筆者

石川温

石川温(いしかわ・つつむ) ジャーナリスト

1975年生まれ。中央大学商学部卒業後、98年、日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社。月刊誌『日経TRENDY』の編集記者として通信、自動車、ホテル、ヒット商品などを取材。2003年に独立後、携帯電話、スマートフォン業界を幅広く取材。近著に『スティーブ・ジョブズ 奇跡のスマホ戦略』がある。有料メルマガ『スマホ業界新聞』を配信中。

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