石川温(いしかわ・つつむ) ジャーナリスト
1975年生まれ。中央大学商学部卒業後、98年、日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社。月刊誌『日経TRENDY』の編集記者として通信、自動車、ホテル、ヒット商品などを取材。2003年に独立後、携帯電話、スマートフォン業界を幅広く取材。近著に『スティーブ・ジョブズ 奇跡のスマホ戦略』がある。有料メルマガ『スマホ業界新聞』を配信中。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
利便性追求のフェイスブック、グーグル、アマゾンと保護派のアップル
フェイスブックが揺れている。
先ごろ、イギリスのコンサルティング会社によって、フェイスブック上の個人情報が不正に利用され、アメリカ大統領選に利用された可能性があると指摘された。不正取得された利用者は当初の推定では5000万人と言われていたが、最新の情報では8700万人規模にまで拡大している。
この騒動を受け、フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグはアメリカ下院委員会の公聴会に呼ばれる羽目となった。個人情報保護に関して、議員から責め立てられるはずであったが、議員たちがあまりにフェイスブックやSNSに無知であったため、攻めきれず、結果、ザッカーバーグは難を逃れた。
今回の個人情報流出問題において、フェイスブックに必要以上に噛み付いているのが、アップルだ。同社CEOであるティム・クックは「個人情報保護をないがしろにしてまで、テクノロジーを最大限に活用すべきではない」と母校の卒業式での祝辞で語った。ティム・クックはテレビでのインタビュー出演など、事あるごとにフェイスブックの姿勢を批判し続けている。
いま、アメリカでは、Google、Amazon、Facebook、Appleという世界的に影響力のある企業を「GAFA」という言葉でくくっている。
グーグル、アマゾン、フェイスブックはいずれも、個人情報をベースにクラウド上で様々な利便性をユーザーや広告主に提供して商売している。
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