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個人情報の処理で二極化するIT巨人

利便性追求のフェイスブック、グーグル、アマゾンと保護派のアップル

石川温 ジャーナリスト

 フェイスブックが揺れている。

 先ごろ、イギリスのコンサルティング会社によって、フェイスブック上の個人情報が不正に利用され、アメリカ大統領選に利用された可能性があると指摘された。不正取得された利用者は当初の推定では5000万人と言われていたが、最新の情報では8700万人規模にまで拡大している。

 この騒動を受け、フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグはアメリカ下院委員会の公聴会に呼ばれる羽目となった。個人情報保護に関して、議員から責め立てられるはずであったが、議員たちがあまりにフェイスブックやSNSに無知であったため、攻めきれず、結果、ザッカーバーグは難を逃れた。

フェイスブックに嚙み付いていたアップル

低価格iPadの発売を発表した高校で生徒や教員と話すアップルのクックCEO(左から3人目)=2018年3月27日、米シカゴ低価格iPadの発売を発表した高校で生徒や教員と話すアップルのクックCEO(左から3人目)=2018年3月27日、米シカゴ
 今回の個人情報流出問題において、フェイスブックに必要以上に噛み付いているのが、アップルだ。同社CEOであるティム・クックは「個人情報保護をないがしろにしてまで、テクノロジーを最大限に活用すべきではない」と母校の卒業式での祝辞で語った。ティム・クックはテレビでのインタビュー出演など、事あるごとにフェイスブックの姿勢を批判し続けている。

 いま、アメリカでは、Google、Amazon、Facebook、Appleという世界的に影響力のある企業を「GAFA」という言葉でくくっている。

 グーグル、アマゾン、フェイスブックはいずれも、個人情報をベースにクラウド上で様々な利便性をユーザーや広告主に提供して商売している。

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