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安倍氏3選なら放送法4条の撤廃が再燃?

規制改革推進会議の答申から「民放不要」の規制廃止が消えたが……

川本裕司 朝日新聞社会部記者

 政治的公平を定めた放送法4条撤廃が取りざたされた政府の「放送制度の改革方針」で、規制改革推進会議は4日まとめた第3次答申に、民放が反対していた放送法4条や外資規制の撤廃などは盛り込まれなかった。しかし、政府案にうたわれていたNHKの「同時常時配信」や国際放送の強化などが検討項目に掲げられた。民放不要論につながる結論は見送られたものの、官邸は改革方針への意欲を失っていないと見られている。安倍晋三首相が9月の自民党総裁選で3選され続投となった場合は、放送法改正問題が再燃するのではという警戒論が消えていない。

規制改革推進会議の第3次答申について記者会見する大田弘子議長(中央)ら=2018年6月4日、東京・霞が関拡大規制改革推進会議の第3次答申について記者会見する大田弘子議長(中央)ら=2018年6月4日、東京・霞が関
 規制改革推進会議(議長・大田弘子政策研究大学院大教授)のもとにある投資等ワーキング・グループ(座長・原英史政策工房社長)は4月16日、通信と融合する放送のあるべき未来像の検討課題として、①ビジネスモデルの展開の方向性②多様で良質なコンテンツ提供とグローバル展開③電波の有効活用に向けた制度のあり方を示した。

 第3次答申であげられた改革項目として、①で「NHK常時同時配信の是非の早期結論」と「地方局の経営基盤のあり方の検討」、②で「NHK国際放送の強化」「放送コンテンツの海外展開の支援」、③では「制作会社との取引、現場の働き方の環境改善」「コンテンツ流通の促進」などが掲げられた。それぞれの具体的な方策については今後、総務省で検討される。

 当初、政府案の「通信・放送の改革ロードマップ」にあった、放送法4条、番組審議機関、マスメディア集中排除、外資規制といった放送特有の規制撤廃のほか、ハード(放送設備部門)・ソフト(番組制作部門)の分離は、答申の具体策に入らなかった。日本民間放送連盟は4日、「懸念されたような放送の意義や公共的役割を否定する文言は見当たらず、放送の公共的役割を尊重する取りまとめになった」と一定の評価を明らかにするコメントを発表した。

 ただ、政府とメディア側の緊迫したやり取りがあったといわれる。解体にさらされかねない民放だけでなく、新聞各紙も懐疑的な報道が目立った。とくに、読売新聞は社説でいち早く反対の立場を鮮明にし、報道量でも他紙を圧倒した。

 関係者によると、政治記者OBのマスコミ幹部らと安倍首相が4月2日夜に会食した際、 ・・・ログインして読む
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筆者

川本裕司

川本裕司(かわもと・ひろし) 朝日新聞社会部記者

朝日新聞社会部員。1959年生まれ。81年入社。学芸部、社会部などを経て、2006年から放送、通信、新聞などメディアを担当する編集委員。10年、論説委員兼務。17年4月から東京社会部。著書に『ニューメディア「誤算」の構造』。共著に『テレビジャーナリズムの現在』『被告席のメディア』『新聞をひらく』。

 

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