杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター
1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。
「作業員が愛用するブランド」への信頼感から、女性や学生がワークマンに足を運ぶ
衣料品販売のしまむらが6月末に減益決算を発表し、株価を下げている。しまむらの不振は去年あたりからネットニュースサイトを中心に報道もされている。
その一方で、作業服小売のワークマンは5月に最高益決算を発表し、株価が上昇中だ。しまむらは減益の理由として、低気温が原因で夏物が売れなかったというが、ワークマンは6月も売り上げが好調。このワークマンは作業服以外のカジュアルウェアにも進出しつつある。
ワークマンの好調ぶりの背景には、メインターゲットである作業員以外の顧客も取り込んでいることがある。なぜ、作業服の店が顧客層を広げ、その一方で低価格帯衣料小売りの老舗、しまむらが不振なのか。その理由を探ることで、この数年の「お買い物動向変化」を考えて見たい。
作業服のワークマンの店舗が混むのは、朝と昼だそうだ。現場作業員の人たちが仕事前や昼休みに必要なものを買いにくるのだ。ワークマンの主流客はあくまでも男性の現場作業員たちだ。
しかし、午後の時間帯になると、子連れの女性客がやってきて、夕方になると男子学生たちがふらりと店に入ってくる。現在、ワークマンは「作業員以外の人たち」への販促プロモーションに力を入れている。
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