石川温(いしかわ・つつむ) ジャーナリスト
1975年生まれ。中央大学商学部卒業後、98年、日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社。月刊誌『日経TRENDY』の編集記者として通信、自動車、ホテル、ヒット商品などを取材。2003年に独立後、携帯電話、スマートフォン業界を幅広く取材。近著に『スティーブ・ジョブズ 奇跡のスマホ戦略』がある。有料メルマガ『スマホ業界新聞』を配信中。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
独禁法で問題ありとされた4年縛り、アップルと携帯販売会社との契約修正でも影響小か
6月28日、公正取引委員会は、携帯電話会社が提供する、いわゆる「4年縛り」の端末販売方法が、独占禁止法上問題がとなるおそれがある、と指摘した。
4年縛りでの販売方法は現在、KDDIとソフトバンクが提供している。いわゆる「4年縛り」は、iPhoneなどの高額スマホにおける端末代金を48回の割賦払いとして設定。4年間、割賦を支払い続けることで、完済するという仕組みだ。
ただ、4年縛りとなると、ユーザーは4年間、新しい端末を購入しないことになるし、それでは携帯電話会社も端末販売の売上が落ちることになる。
そこで、携帯電話会社は、24回支払えば、残債は免除し、新しい機種に変更できるという仕組みを導入。これによって、ユーザーは2年毎に新しい機種に交換できる。
ここ最近「iPhoneを半額で」といったキャッチコピーの宣伝が流れていたりするが、これは、24回支払い終え、半分となった残債が免除されることで「実質、半額」という意味合いで使われている。
ただし、新しい機種に交換した場合は、今使っている端末を下取りとして携帯電話会社に回収されてしまう条件がある。また、新しい機種に交換するには、このプログラムに継続して加入し続けなくてはならない。
公取委では、「あたかも端末を半額で購入できる印象を与えかねない」「一度、端末を購入すると、他社への乗り換えがしづらくなる」として、独占禁止法上、問題になりかねないと指摘したのだった。
一般的には「4年縛り」と言われているが、実際にこのプログラムで端末を購入してしまうと、いつまで経っても、解約したいと思った時には高額な請求が来てしまい、やめるにやめられない状態に陥る。4年縛りどころか半永久的な縛りにもなりかねない点を公取委は看過できなかったようだ。
今回の動きに対してキャリア関係者は「公取委は2年前にも同様の報告書を出していたが、