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文科省汚職事件と官僚の貧困問題(下)

裏口入学に高級風俗 接待汚職が起きたのは文科省官僚が誘惑慣れしてなかったからか

杉浦由美子 ノンフィクションライター

官僚は質素で慎重な人たち

 文部科学省の官僚たちを巡る汚職について書いている。前回は医学部の裏口入学のシステムについて書いた。一連の事件で注目される点は、裏口入学以上に、官僚が接待漬けにされていたことだろう。

 両方の事件に、谷口浩司被告というブローカー的な人物が絡んでいる。医療コンサルタント会社元役員だ。この会社のホームページをみると美人社長の写真が載っている。今どきプロフィールに学歴を載せることは減っているのに、社長の華麗な学歴……難関名門高校から東京の国立大学を並べている。高学歴な女性を社長に据えて、実際は、海千山千のブローカー男性が企業と官僚を結びつけていたのだ。

収賄容疑で逮捕された宇宙航空研究開発機構理事時代の川端和明容疑者(右端)=2016年10月、岐阜県庁拡大収賄容疑で逮捕された宇宙航空研究開発機構理事時代の川端和明容疑者(右端)=2016年10月、岐阜県庁
 文部科学省国際統括官の川端和明容疑者は高級クラブや高級風俗で接待を受けていたという。20年前に話題になった「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」を思い出すではないか。「今どき風俗で接待なんてあるのか?!」と驚くが、中央官庁の現役職員はいう。「文科省の利権が絡む相手は学校法人や研究機関になります。そういう組織は昔から派手に接待を仕掛けてくるようなことはしないんですよ。そのあたりで文科省の職員は“誘惑慣れ”していなかったんだと思います」

年収1700万円の貧困

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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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