杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター
1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
弱者への差別的発想は”オジサン”のものか 女性が持つ差別意識の露呈に思えるが
自由民主党の杉田水脈衆議院議員が雑誌に寄稿した文章の中で、「LGBTカップルは生産性がない」と書いたことが大きく話題になっている。
さて、この騒動が大きく波紋を広げていることを、「LGBTへの理解を広めようという機運の高まり」という意見があるが、それだけではないだろう。
情報番組『サンデー・ジャポン』(TBS系)で爆笑問題の太田光が「肝心の自民党の安倍さんが生産性ないんだから」と発言したが、子供を作らない人は沢山いる。その人たちへの差別にも繋がる発言だから、広い層が反応しているのではないか。
そして、このような「産まない人たち」への差別的な発言を、自民党の男性議員達はかつてからずっと続けてきた。
2003年に森喜朗衆院議員は「子供を1人もつくらない女性の老後を税金で面倒見ろというのはおかしい」という趣旨の発言をし、最近も二階俊博自民党幹事長が「子供を産まない方が幸せじゃないかと勝手なことを考えている(人がいる)」と発言し、加藤寛治衆院議員が「必ず新郎新婦には3人以上の子供を産み育てて頂きたい」と話した。彼らの発言も大いに問題視されたが、彼らへの批判とは違う要素が杉田議員に対してはあるように思える。
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