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アジア大会で見えた競技団体の明暗

競泳とバドミントンはメダル量産、メダルなしに終わった女子レスリング

増島みどり スポーツライター

 18日の開会式(一部競技は13日開始)から中間点を過ぎ終盤に向かうジャカルタアジア大会を通して、2020東京五輪の輪郭も少しずつ見え始めたようだ。メダル数や記録での総括は閉会を待たねばならないが、今大会の場合、収穫はメダル数だけではない。結果に加え、連日30度を超える酷暑の東京をにらんで高温多湿や、深夜に行われる決勝時間を想定。高いレベルのアジア大会だからこそ、五輪のシミュレーションも可能になる。

 競泳は、東京でのパンパシフィック選手権を終えてわずか中6日の過密日程で、選手の底力、調整力を五輪へのひとつの指標にするなど東京を見据えた緊張感さえ感じさせた。

アジア大会女子100メートルバタフライで優勝した池江璃花子=2018年8月21日、ジャカルタ拡大アジア大会女子100メートルバタフライで優勝した池江璃花子=2018年8月21日、ジャカルタ
 高校生の池江璃花子(スポーツクラブルネサンス)が50メートル、100メートル自由形、50メートル、100メートルのバタフライ、400メートルリレー、400メートルメドレーリレーで史上初の6冠を達成し、その勢いが全体をけん引した格好だ。

 金メダル数はライバル中国と並ぶ19個で、総数で中国を2個上回る54個となった。奥野景介ヘッドコーチは「全体の底上げが実りになった」と、帰国時の会見で話した。大会ではチーム最年少の17歳、酒井夏海(スウィン南越谷)が100メートル背泳ぎで高校新記録をマークした一方、2012年のロンドン五輪で3つのメダルを獲得したベテラン、27歳の鈴木聡美(ミキハウス)も鮮やかな復活を遂げた。競泳は、アジア大会で東京につながる層の厚さを実証した。

 バドミントンも、南京世界選手権から続くいい流れを切らなかった。世界選手権で金メダルを獲得した桃田賢斗(NTT東日本)が敗退したが、同じ歳の西本拳太(トナミ運輸)が男子で48年ぶりのメダル(銅)を手にし層の厚さを見せる。

 リオ五輪では史上初の金メダル(女子ダブルス)を獲得した女子にも勢いがあった。団体で48年ぶりの金メダルを獲得すると、お家芸とも言われる安定した実力を示し続けるダブルスで高橋・松友組(日本ユニシス)が銀メダルを獲得。2年後に向かって、好材料を持ち帰る大会だった。

まさかの金メダルなしに終わった女子レスリング

 競泳、バドミントンと日本のメダルを支える2つの競技団体が、現在の実力、底上げの点でもアジアで大きな存在感を見せたのに対して、「ショック」ともいえる敗戦もあった。

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筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

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