単純労働ではない介護は最後の砦(上)
日本は働く場として外国からいつまで選ばれる国でいられるのか
町亞聖 フリーアナウンサー
少しだけフィリピンの話を。早朝から鳴り響くクラクション、乗り合いのバス(ジプニー)はすし詰め状態、街並みはお世辞にも清潔とは言えず、ハリケーンが来たら吹き飛ばされてしまいそうな心許ない家があちらこちらに……。
仕事で訪れたのはフィリピンのセブ島。平均年齢はなんと23歳!? 日本とは正反対のとても若い国フィリピンの人口は増え続けていてやがて2億人を超えると予想されている。依然として経済格差は存在しているが、港や空港などの開発はこれから本格化し2030年頃までにはフィリピンのセブは国際都市に生まれ変わるという。
そんなフィリピンで驚いたのは管理職を占める女性の数が半数という「女性が活躍する国」だということ。ワークシェアリングの考え方が浸透し、お金持ちではなくとも正社員であればベビーシッターを雇うのは当たり前のことで、子供を産んだ後も迷わずに働き続けることができる環境が整っていると話してくれた。
全ての女性に就労の機会が平等に与えられているわけではなく、看護師の資格を持っていても働く場所がないために飲食店に勤めざるを得ない現実があるのも事実だが、社会や国を変えていくために一番大切なその国に住む人々の意識は、待機児童の問題を放置し続けている“先進国”日本よりも確実に上だと感じた。
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