メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

女子バレー世界選手権で中田監督が問う戦う姿勢

東京五輪のシミュレーションとなる日本開催、試される「終着と切り替え」

増島みどり スポーツライター

 台風24号が列島を駆け上がった9月最後の日曜、多くの交通機関がストップしJリーグをはじめ多くのスポーツイベントが中止になったが、横浜アリーナでの世界バレー2試合目となる日本対オランダ戦は強行された。過去例のないレベルで交通機関がマヒするなかで主催者側の対応の遅さは指摘されるが、それでも決して少なくない人々がこの試合を観戦しようと集まったほうに驚かされた。目の肥えたバレーボールファンにとって、この試合は重要な意味があったからだろう。

女子バレーボール世界選手権の目標を4強と記者会見で掲げた中田久美監督=2018年9月25日、東京都北区拡大女子バレーボール世界選手権の目標を4強と記者会見で掲げた中田久美監督=2018年9月25日、東京都北区
 中田久美監督(53)に率いられて初の世界選手権(世界バレー、男女各出場24チーム)に臨む日本女子は今大会世界ランキング6位でAグループに。同組のオランダはランク8位だが、リオデジャネイロ五輪では初の4位に入った強豪だ。すでに2020東京五輪の開催国枠で出場を決めているバレーにとって、五輪よりも歴史があり熾烈とされる世界選手権が、しかも地元で行われている。2大会ぶりのメダル(2010年銅メダル)を狙うためにも、また2020年をにらんだシミュレーションでも、強豪オランダに、ホームでどう戦えるかが大きな意味を持っていた。

 開幕のアルゼンチン戦でストレート勝ちした勢いで2-2のフルセットまで食い下がるが、最終セットで13対14まで粘りながら、平均身長が187センチと世界屈指の高さとパワーを持つオランダに、最後は力で押し切られてしまった。1次リーグ5試合を「全勝で抜ける」(中田監督)と目標を掲げただけに、最初の「山場」で早くも手痛い黒星を喫した形だ。

 「非常に悔しい。選手はよく戦ったと思うが、肝心な1点を取りきれないのが世界との差です」

 中田監督は試合後の会見で惜敗に表情を固くした。日本女子バレーにとってオランダは成長を測る指標としての存在でもある。

 今年5月、愛知県豊田市でネーションズカップが行われた際にもオランダと対戦し0-3のストレート負けをしている。すでに世界選手権の2試合目で対戦するのが決まっていただけに、監督自身「ふがいない試合をして本当に申し訳ありません。選手より私の問題です」と、チームの指揮を執って2年目に直面した大きな壁に珍しく涙をこぼしていた。若い選手たちも自信を失ったが、中田監督に常に指摘される「戦う姿勢」を見つめる機会にもなったという。

 今夏ジャカルタで行われたアジア大会でもメダルを争う3位決定戦で韓国に敗退。 ・・・ログインして読む
(残り:約1573文字/本文:約2573文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
Journalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!


筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

増島みどりの記事

もっと見る