杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター
1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
芸能人が子どもを通わせるからセレブ校? 実態は「事情がある子が通う」学校?
インターナショナルスクール。外国人の子どもたちが通うための学校だが、日本人の子どもたちも通っている。
インターナショナルスクール育ちで、昨今注目されている日本人といえば、秋篠宮眞子さまと婚約が内定している小室圭さんがいる。
その彼や母親への批判には的外れなものもあり、その中でも、私が首をかしげたのは「母子家庭なのに子どもをインターナショナルスクールに通わせ、贅沢だ」というものだ。
世間一般に、インターナショナルスクール=セレブ学校というイメージが浸透しているが、それは実際と異なる。
留学対策予備校の関係者がいう。
「アメリカの大学に進学したいという希望がある生徒が、高校からインターナショナルスクールに入ってくることもあります。中にはアメリカの大学の入試指導をするインターナショナルスクールもありますから。しかし、小学校や中学からインターナショナルスクールに通うのは事情があるケースですね」
公立の小学校や中学に通えない子がしかたなく入学する先という見方をされることも多いのだ。
たとえばだ。ある日本人夫婦は、夫の仕事の都合により10年間アメリカで暮らした。その間に妻は出産したが、地元に日本人学校がなかったので、多国籍なインターナショナルスクールに子どもを入学させた。その後、日本に戻り、子どもを公立の小学校に転入させたが、不登校になってしまった。アメリカにいた頃、家庭内では日本語で会話をしていたが、外では英語のみで生活をしていた。そのため、日本の公立小学校で周囲の子どもたちとコミュニケーションがうまく取れなかったようだ。
特段裕福でもないごく普通のサラリーマン家庭だ。夫婦共に公立育ちで、子どもは公立に通わせるのが当たり前だと思っていたが、そうもいかなくなった。子どもが通っているインターナショナルスクールの学費は年間100万円を超える。妻は帰国後しばらくの間はパートタイマーで働く予定だったが、正社員で就職し直した。
なぜ、インターナショナルスクール=セレブ学校というイメージが広まったのか。
それは多くの有名芸能人たちが子どもをインターナショナルスクールに入れるからだろう。
先日引退した歌手の
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