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上沼批判のとろサーモン久保田は干されない(上)

お笑い業界は「面白いが正義」であり、ゆえにとろサーモン久保田は正義である

杉浦由美子 ノンフィクションライター

拡大〝暴言騒動〟を引き起こしたとろサーモンの久保田かずのぶ(右)。左は相方の村田秀亮=2017年12月、東京・六本木のテレビ朝日
 『M-1グランプリ 2018』は霜降り明星が優勝した。25歳のフレッシュなキング誕生である。しかし、世間の注目は霜降り明星よりもとろサーモンの久保田かずのぶやスーパーマラドーナの武智正剛に集中している。なぜなら、彼らはやらかしたからだ。

 決勝戦を終えた深夜、武智がインスタグラムライブで、とろサーモン久保田が審査員の上沼恵美子を批判する様子を配信した。久保田は「感情だけで審査するの、やめてください」「一番右のな」といい、武智は「『嫌いです』とかいわれたら、更年期障害かって思いますよね」と発言する。無論、この動画はYouTubeなどに転載され、拡散していく。そのため、オール巨人、博多大吉、今田耕二などのM-1関係者をはじめ、岡村隆史、ケンドーコバヤシ、爆笑問題などの人気芸人たちもこの騒動に言及している。

 ネットニュースなどでは「久保田と武智は干される」と煽り、とろサーモンが出演予定のライブが休演になったことも「上沼批判の影響か?!」と書くが、他のライブの予定からはとろサーモンの名前は消えていない。一記者として考えるに、武智はともかく、久保田は干されないだろう。

反省をせずにラップで批判継続

 この騒動があった後に、芸能事務所のマネージャーに会った。有名お笑いタレントを担当している人物だ。このマネージャーは「久保田さんが仕組んだ騒動なんじゃないかなあ。優勝した霜降りを潰すために、わざと事件を起こして自分に注目を集めてるんじゃない?」と冗談めかして語った。漫才コンビのおぎやはぎも同じようなことを話していた。無論、彼らが面白おかしく想像を膨らましているのだが、あながち否定できない。

 なぜなら、12月6日のネット番組『NEWS RAP JAPAN』(Abema TV)で久保田は騒動を彷彿させるラップを披露している。権力者に刃向かうと、それを叩く連中がいると、自分を批判するネット民やメディアへの反論めいた歌詞であった。そして、そのラップが終わると、司会者が「一番右の人」と上沼批判動画から言葉を引用した。ようは上沼には謝罪するが、必要以上に反省する姿勢はみせないつもりはなく、また、自分の騒動を沈静化させるつもりもないようだ。

 久保田がこうも強気であるのは、元々がクズキャラだからだ。誰も彼に品行方正を求めていない。好感度タレントが不倫疑惑があったら騒動になるが、久保田は後藤輝基の妻に手を出そうとしたことを番組でエピソードトークとして披露した。 ・・・ログインして読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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