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宇野昌磨がGP2連勝、ファイナルへの課題とは

田村明子 ノンフィクションライター、翻訳家

GP(グランプリ)シリーズのNHK杯で初優勝を果たした宇野昌磨。スケートカナダの優勝と合わせて2連勝拡大GP(グランプリ)シリーズで2連勝、ファイナルで頂点に立つことができるだろうか

 GP(グランプリ)シリーズのNHK杯で初優勝を果たした宇野昌磨。スケートカナダの優勝と合わせて2連勝となり、いち早くGPファイナルへの切符を手にした。

 宇野は一戦一戦着実に結果を出しながらも、その試合ごとに課題も見つけてきた。

 GP初戦のカナダでは、SP(ショートプログラム)で2度の4回転を成功させるも、3アクセルで転倒。練習でアクセルは調子が良かったため、「ついつい油断してしまった」と悔しそうに語った。

 だが本当に悔しかった理由は、油断をしたことではなく、そこで諦めてしまったことなのだという。

 「それから(踏み切った後)でも戻せる技術と力があったのに、諦めてしまった自分が情けない」と、振り返って改めて反省の言葉を口にした。

 翌日のフリーでは、怖いほど真剣な表情で演技をスタート。ベートーヴェンのピアノソナタ「月光」の荘厳なメロディにのせて4サルコウ(回転不足の判定)、4フリップ、4トウループと着実に降りていった。2度目の4トウループ、そして3アクセルまで完璧に見えたが、最後のジャンプコンビネーションで2度転倒。それでも総合277.25で逆転優勝を果たしたのは、この試合では宇野を脅かすほどの内容のプログラムを滑る選手が他にいなかったためもある。

カナダで体力がきれた理由

 宇野は滑り終えると彼にしては珍しく苦しそうに顔をゆがめ、時間をかけて息を整えた。今シーズンからルールが改定されて、男子のフリーが30秒短縮されジャンプ要素が一つ減らされた。

 この大会で2位になったカナダのキーガン・メッシンは、「プログラムの中で一息つく間がなくなってしまった。全力疾走で最後まで行かなくてはならず、以前より身体への負担があがった」と語り、同じような意見は多くの選手からも聞かれる。

 だが宇野が最後に失速したのは、そのことが理由ではない ・・・ログインして読む
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筆者

田村明子

田村明子(たむら・あきこ) ノンフィクションライター、翻訳家

盛岡市生まれ。中学卒業後、単身でアメリカ留学。ニューヨークの美大を卒業後、出版社勤務などを経て、ニューヨークを拠点に執筆活動を始める。1993年からフィギュアスケートを取材し、98年の長野冬季五輪では運営委員を務める。著書『挑戦者たち――男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて』(新潮社)で、2018年度ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。ほかに『パーフェクトプログラム――日本フィギュアスケート史上最大の挑戦』、『銀盤の軌跡――フィギュアスケート日本 ソチ五輪への道』(ともに新潮社)などスケート関係のほか、『聞き上手の英会話――英語がニガテでもうまくいく!』(KADOKAWA)、『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)など英会話の著書、訳書多数。

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