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「拡大移民政策」と在日外国人の悲哀、犯罪(上)

産業界が強く望む安価で単純な労働力、受け入れ拡大は天下の愚策

小野登志郎 ノンフィクションライター

 報道されている通り、我が国でも、いわゆる外国人労働者、「移民問題」が脚光を浴び、先鋭化されてきています。

 というより、その際限のない拡大化と、そこで必然的に生まれる闇の深さが、どんどんと濃くなっていき、その全貌をつかむのは不可能になってきています。

通りがかりの男性に声をかける在日華人の女性たち=2009年、東京・新橋
 外国人労働者の闇とは、いうまでもなく、法のグレーゾーン、ブラックゾーンに入ってしまった外国人労働者や、移民、その周辺者のことを指します。

 こういった移民問題の闇については、2000年代初頭までは、その全貌の一端を知るのは、ヤクザ、でした。日本のヤクザが、もろもろの理由から闇社会に流入する移民たちを拾い、使い、利用してきたからです。

 そのヤクザから、ちびちびと日本の警察は不良化した移民たちの情報をもらい、その闇の氷山の一角を取り締まってきたのです。

 しかし、周知のとおり、ヤクザは暴対法、暴排条例によって、日本社会からパージされました。今や、絶滅危惧種、社会の必要悪ですらなくなってしまいました。

 在日の移民社会は今もう既に、中国、韓国だけでなく、ベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマーなどなど、そして、果ては中東、アフリカ諸国まで広がっています。

 街でよく目にするキャッチをしているアフリカ系の人間たちは、街を取り仕切っているとされる日本のヤクザに、ショバ代を払っていません。日本のヤクザとアフリカ系グループは、お互い縁もゆかりもなく独立して、存在しています。

 アフリカ系グループの中に潜入して、その闇の一端でも知っているというジャーナリストを、わたしは寡聞にして知りません。刑事でもいないのではないかと思います。警視庁のある刑事に聞くと「外国人犯罪の担当部署で、中国や韓国はまだしも、アフリカ系はもとより、他の国の外国人犯罪グループの担当部署、刑事は存在しない」とのことでした。

 今、日本の警察官で、そしてヤクザで、闇社会に存在する不法移民、外国人犯罪の全貌を知っている、と答える者はいないでしょう。

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