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M-1でジャニーズ化する吉本興業(下)

アイドルもお笑いも同じ構造になってきた

杉浦由美子 ノンフィクションライター

「応援エンタメ」の時代

 「日経トレンディ」(日経BP社)では今年「応援したいという消費者の気持ちがヒットを作る」という言及がしばしばされた。

 たとえば、今年、紅白に初出場する男性歌謡コーラスグループ純烈がそうであろう。2012年にレコード会社との契約を打ち切られると、スーパー銭湯やキャバレーなどを回り地道な活動をし、そこでひとりひとりファンを増やしていった。彼らの努力に感銘を受けたファンたちが、「純烈を紅白に出したい」という応援の気持ちでCDを買い求め、それが紅白出場につながった。

 男性スターを多く抱えるジャニーズ事務所でもファンに支持されるためには、タレントは努力を見せることが重要だ。

 歌手の赤西仁がジャニーズにいた頃のことだ。彼は歌も演技も抜群にうまかった。その彼にマネージメントが商品価値を見出して当然だ。しかし、ジャニーズの熱心なファン層からは赤西仁は反発されていた。先輩タレントのステージでバックについたがちゃんと振りを覚えてなくて踊れず、ふてくされたような態度をとることもあったという。これがジャニーズファンからすると許せなかった。歌も演技も一流の能力があろうと、努力しようという姿勢を見せないと、ジャニーズファンは納得しない。

 一方、Hey! Say! JUMPの山田涼介は、最初は“みそっかすJr”でステージの隅の方にいた。しかし、そこで全力で踊ったり、ファンサービスをしたりする姿がファンの間で話題になり、「あの一生懸命な子を応援しよう」という機運が高まり、スターになっていった。努力する姿をアピールし、応援したいと思ってもらうことが重要になっている。 ・・・ログインして読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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