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ロシアのマリインスキー・バレエの今

チャイコフスキー3大バレエを生んだ伝統、日本人ダンサー永久メイが主役に

菘あつこ フリージャーナリスト

 ロシアのマリインスキー・バレエが、11月下旬から12月上旬、来日公演を行った。今回、特に印象深かったのは、日本人ダンサー・永久メイの存在。彼女は兵庫県で育ち、モナコ留学を経て今年、正式入団したばかりの、まだ18歳。にもかかわらず、セカンドソリストとして数々のソロを踊っており、現地では「くるみ割り人形」の主役も経験しているという。

拡大12月2、3日に東京文化会館で行われた「マリインスキーのすべて~スペシャル・ガラ~」=写真撮影:瀬戸秀美
 そして、今回の日本公演、私は「マリインスキーのすべて~スペシャルガラ~」で『海賊』第2幕のグラン・パ・ド・ドゥをキミン・キムをパートナーに踊る彼女を観たが、予想以上に良かった。回転などの技術が高いことに加え、凜とした雰囲気も良い。さまざまな役に挑戦できそうな可能性を感じた。韓国人のキムとアジア人どうしで、大きな拍手喝采を受けていたのも印象深い。

 振り返ってみれば、一昔前のソ連時代には、ロシア人以外(ソ連国民以外が)、マリインスキーで活躍するなんて、ほとんど考えられないことだった。ここで、少し、マリインスキーについて説明させていただくと、この劇場(&バレエ団)は、ソ連時代にはキーロフ劇場と呼ばれていた(その頃は街の名前も、サンクトペテルブルクではなくレニングラードだった)。

 ロシアの文化的な都で、ロシア革命よりも前の時代、チャイコフスキーの3大バレエ『眠れる森の美女』、『くるみ割り人形』、『白鳥の湖』が創られたのがこの劇場だ(正確には『白鳥の湖』は、先にボリショイで初演されたが、その振付は評価されず伝えられておらず、現在、世界中に伝わっている『白鳥の湖』は、通常、マリインスキーでプティパと弟子のレフ・イワーノフが振り付けたものが元になっている)。 ・・・ログインして読む
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筆者

菘あつこ

菘あつこ(すずな・あつこ) フリージャーナリスト

立命館大学産業社会学部卒業。朝日新聞(大阪本社版)、神戸新聞、バレエ専門誌「SWAN MAGAZINE」などに舞踊評やバレエ・ダンス関連記事を中心に執筆、雑誌に社会・文化に関する記事を掲載。文化庁の各事業(芸術祭・アートマネジメント重点支援事業・国際芸術交流支援事業など)、兵庫県芸術奨励賞、芦屋市文化振興審議会等行政の各委員や講師も歴任。著書に『ココロとカラダに効くバレエ』。

 

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