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中学受験、女医にしたいなら女子校がいい(上)

女子が医師になるということは、すなわち、女社会に組み込まれること

杉浦由美子 ノンフィクションライター

 中学受験シーズン到来だが、女子の受験動向をみると、学力上位層の共学人気がさらに高まっている。

 日能研の予想R4(2018年11月20日発行)では、難関女子校の桜蔭と共学の渋谷学園渋谷が難易度67(受験日2月1日)で並んでいる。また、共学の広尾学園も60と、御三家のすぐ下につけ、難易度が急上昇している。

 女子の共学志向も、一昔前は「女子校はつまらなそう」「いじめが多そう」という誤解からくるものであったが、今はやや違ってきている。女子校出身だと男の顔色がみられなくなり、社会性に欠けるようになるから避けたいと、将来を見据えたものになってきている。

 女性も長く社会で働く時代だ。社会の半分を占める男性の気持ちやプライドをくみ取れる方がいい。そのためには共学で若いうちから男女共同参画の感覚を学ばせるべきだ、と考える保護者も多いようだ。

 しかしだ。少なくとも、娘を医師にしたいと考えるならば、絶対に女子校に入れた方がいい。

 なぜ、そういい切れるかを、教育や医療の現場を取材してきた一記者の視点で言及していきたい。

医療の現場は女性スタッフで構成される「女社会」

 確かに女子校出身者は男の顔色が読めない傾向がある。最近も、難関女子校出身で有名企業の若手エース社員が、男性の役員に「生意気だ」と嫌われ、僻地に飛ばされたという騒動があった。しかし、この若手女子社員は女性の上司たちには大層、可愛がられていたという。

 ようはオジサンの顔色は読めないが、オバサンのそれは読める。

 女子校出身者は女社会と相性がいい。大手百貨店の採用をみていると、女子校出身者を採用したがる傾向があり、それは女子校出身者は、女性が主体となって働く組織……女社会に馴染みやすいからだろう。

 そして、女子が医師になるということも、女社会に組み込まれることなのだ。こう書くと、首をかしげる人もいるだろう。

拡大女性外来での診察方法などを話し合う医師ら=2003年、京都府舞鶴市の舞鶴市民病院
 「医師は大半が男でしょう? 男社会だから大学入試で女子差別があったんじゃないの?」と。確かに医師の世界……医学部や医局、学会はほとんどが男性で占める男社会だ。しかし、医療の現場はそうではない。看護師や薬剤師、事務スタッフと大半が女性で占める女社会である。

 以前、大学病院で働く女性外科医に取材した時のことだ。勤務先で所属する科で、女子の医師は彼女1人だという。それを聞いて私が「男社会で苦労することは?」と質問すると、相手はこう答えた。

 「女社会ですよ。病院のスタッフの大半は女性ですから。看護師たちとの共同作業をする日々です」 ・・・ログインして読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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