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高額契約でマリナーズ再建をになう菊池雄星

速球派の評価と故障への懸念で先発3番手? 30分間の入団会見を英語でやり取り

出村義和 ジャーナリスト

ソフトバンク戦で力投する西武の菊池雄星=2018年5月28日、埼玉・所沢の西武ドーム
 この春、順調にいけば58人目の日本人メジャーリーガーが誕生する。シアトル・マリナーズに入団した菊池雄星。そのデビューが日本になる可能性もある。マリナーズが日本でアスレチックスと開幕戦(3月20日、21日)を行うからだ。実現すれば、日本でメジャーデビューを果たす史上初の日本選手ということになる。再びマリナーズのユニホームを着る予定のイチローとともに、桜の季節の大きな話題になることだろう。

 菊池に対するメジャー各球団の関心度はその実力だけでなく、彼が高校3年時にメジャーへの強いチャレンジを表明したという経緯もあり、高いものがあった。西武ライオンズからの移籍は海外フリーエージェント(FA)権取得前にアメリカ球界に移籍できるポスティング制度を使って行われたわけだが、興味を示したのはメジャー30球団のうち半数にも及んだといわれている。

 なかでもマリナーズは高校時代からスカウトを送り込み、今回の契約オファーもどのチームよりも早く、しかも最高の条件を提示したといわれている。実際、期待度はそのまま契約内容に表れている。現地メディアによると、最大7年総額で約1億ドルだという。ただし、契約には4年目に菊池、球団双方に契約解除の権利が与えられるといった複雑な取り決めが多数あり、この総額はあくまでも可能性ということだという。とはいっても、オールスター級の高額契約であることに違いはない。

 現地メディアの菊池に対する評価は好意的なもの、辛口のものと様々だった。有力メディアのESPN電子版によれば、今オフ150名を超えるFAのなかで15位にランクされていた。その紹介記事は次のようなものだった。

 「キクチは8年間にわたって西武で活躍し、17年には187回3分の2を投げて防御率1.97、リーグ2位の217奪三振をマーク。特徴として最速で96-97マイルを投げられるが、92-93マイルに抑えて決め球のスライダーと、カーブ、チェンジアップを有効に使う。昨年左肩を故障、数回先発を回避しており、過去に3回同様の故障を起こした」

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