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有償と無償が混在するスポーツ大会のボランティア

貴重な経験や思い出になるが、東京オリンピックを前にあり方を考えたい

菘あつこ フリージャーナリスト

拡大遠泳の「湘南オープンウォーター」でボートから給水するボランティア=2008年、神奈川県逗子市の逗子海岸沖、笹川スポーツ財団提供
 私は現在、バレエやダンスを中心に舞台芸術に関する記事を書くことが多いので、意外に感じられるかもしれないけれど、以前、マラソンやトライアスロンに関する雑誌を出版する企業に勤めていた。私自身、マラソンやトライアスロンに出場して夢中になっていた時代があり、それをきっかけとした就職だった。勤めた出版社ではマラソン大会運営に関わっていた。今、東京オリンピックを前に、スポーツ大会のボランティアについて議論されることが増えているが、私も、そのあり方について疑問を持ったり、考えることが多くなっている。

 “ボランティア”と一言で言うけれど、地震や台風などの災害に見舞われて困っている方々を助けようとする災害ボランティアと、スポーツ大会を運営するためのボランティアは随分違う。現在、住んでいるのが兵庫県ということもあり、“ボランティア”が日本で大きく広まったきっかけとされる阪神・淡路大震災以降の“ボランティア”の歩みを聞くことは多い。

 そんな時に話される災害時のボランティアの理想的なあり方は、少なくとも“自分のことは自分でした上で”現地で役に立つこと。災害を知り、いても立ってもいられなくなり現地に向かって力仕事を!と意気込んでも、そこに自分が食べるものも満足に持って行かず、大変な状況の現地で調達しにくい食料をいただいてしまう……ようでは本末転倒。──そんなことは、あの20年あまり前の震災後、さまざまな災害が起こる中で、経験を活かして語られ続けているので、認識されている方が増えているだろう。 ・・・ログインして読む
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筆者

菘あつこ

菘あつこ(すずな・あつこ) フリージャーナリスト

立命館大学産業社会学部卒業。朝日新聞(大阪本社版)、神戸新聞、バレエ専門誌「SWAN MAGAZINE」などに舞踊評やバレエ・ダンス関連記事を中心に執筆、雑誌に社会・文化に関する記事を掲載。文化庁の各事業(芸術祭・アートマネジメント重点支援事業・国際芸術交流支援事業など)、兵庫県芸術奨励賞、芦屋市文化振興審議会等行政の各委員や講師も歴任。著書に『ココロとカラダに効くバレエ』。

 

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