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大阪万博は同じ場に集う感動を生み出せるか

インターネットでは味わえない楽しさを提供できるか楽観できない

菘あつこ フリージャーナリスト

 実は私は“博覧会好き”だ。大阪生まれ、けれど、前の大阪万博「EXPO’1970」の時は1歳。万博会場でのヨチヨチ歩きの写真が残るが、私自身にその万博の記憶はない。

拡大開会式当日の神戸ポートアイランド博覧会(ポートピア81)の華やかな会場=1981年3月19日、神戸市
 私が初めて「博覧会が好き!」と夢中になったのは、地方博になるが、神戸で行われた「ポートピア’81」。中学生だった。当時、山を崩して海を埋め立てて人工島ポートアイランドを作り、山にも海にも人が住めるようにするなんて「凄い!」と神戸という街に憧れ、連日のようにテレビで放送される博覧会会場の様子にウキウキ。実際に会場を訪れた日は楽しくて仕方がなく、「私はこんなイベントを仕掛ける仕事がしたい!」と、会場を走り回って叫びたいほど強く思った。そして、実際、大学を卒業すると広告会社に就職し、さまざまなイベントや地方博の一端に関わらせていただいた。

 一方、そこに住める人はなんて素晴らしいんだろうと憧れた神戸の人口島ポートアイランドは、1995年の阪神・淡路大震災では液状化し孤立。震災から24年を経た今も、企業などは活動しているものの空き店舗の目立つ、少々淋しい島になってしまった。もし、震災がなかったら、そんなに淋しい島にならなかったのか……それは分からない。

 そして、今度、地方博ではない国際博覧会条約(BIE条約)によって行われる万国博が、2025年にまた大阪にやってくるのだという。やはり少しウキウキしてしまうものの、正直、大人になった私は「今、万博って、本当に良いものになるのかな?」と、不安な気持ちもよぎる。1970年の大阪万博には、のべ6422万人が来場したという。だが、2025年の想定来場者数は、約2800万人。 ・・・ログインして読む
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筆者

菘あつこ

菘あつこ(すずな・あつこ) フリージャーナリスト

立命館大学産業社会学部卒業。朝日新聞(大阪本社版)、神戸新聞、バレエ専門誌「SWAN MAGAZINE」などに舞踊評やバレエ・ダンス関連記事を中心に執筆、雑誌に社会・文化に関する記事を掲載。文化庁の各事業(芸術祭・アートマネジメント重点支援事業・国際芸術交流支援事業など)、兵庫県芸術奨励賞、芦屋市文化振興審議会等行政の各委員や講師も歴任。著書に『ココロとカラダに効くバレエ』。

 

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