2019年01月24日
1月18日金曜日、フィギュアスケート関係者にとってにわかには信じられない悲報が伝えられた。元全米ペアチャンピオン、ジョン・コフリンが出身地であるミズーリ州カンザスシティで、自らの命を絶ったという。33歳だった。
コフリンは、2人の違うパートナーと2度、全米選手権ペアタイトルを手にしたスケーターである。
2007年の夏から組んでいたケイトレン・ヤンコフスカスとは、2010年秋のNHK杯に初出場して4位。2011年1月の全米選手権では初のタイトルを手にした。このシーズンのフリー、2010年2月に病死したコフリンの母親に捧げた「アベ・マリア」がすばらしかったことが印象に残っている。
全米で優勝した年の5月にはケイディー・デニーと新ペアを結成して、NHK杯で5位、翌年の全米選手権で優勝し、四大陸選手権では銀メダルを獲得している。
2012年には臀部の裂傷で手術を受けて、2014年の試合を最後に競技を引退した。
身長が190センチもあったコフリンは、明るくて社交的な、いつも冗談を言っては周りを笑いの渦に引き込む人気者だった。
ISU(国際スケート連盟)のアスリートコミティーの役員であり、シングル&ペアの技術委員会のメンバーでもあった。競技引退後はコーチをする傍ら、米国のアイスネットワークのコメンテーターを務めるなど、常に活発でスケーター仲間にも人望が厚かった。
そのコフリンに、突然US Center for SafeSport(米国セーフスポーツセンター)から「活動制限措置」の通告が出たのは2018年12月17日のことだった。
このSafeSportとは、米国水泳連盟、米国体操連盟とアスリートのセクシャルハラスメント被害のスキャンダルが続々と明らかになり、社会から大きな非難を浴びた米国五輪委員会が、2017年3月に主にセクハラ被害者の「駆け込み寺」として創設した機関である。
コフリンに対する処置の理由の詳細は
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