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男子バスケット、8連勝の大逆襲でW杯出場

Bリーグ発足と新戦力で劇的化学反応、44年ぶりの五輪へ前進

増島みどり スポーツライター

 バスケットボールの日本代表チームのニックネームを「ハヤブサ」から「アカツキ」に変更したのは2016年春だった。あれから3年が経ち、日本男子バスケットボール界は本物の暁を迎えたかのようだ。

 2月24日、今夏、中国で開催されるバスケットボールのW杯出場権をかけて、日本代表はアジア2次予選最終戦にカタールと対戦。ドーハでのアウェーを96対48で制して、自力での予選突破では1998年ギリシャ大会以来21年ぶりとなるW杯出場(32カ国)を果たした。2020年の東京五輪の開催国枠を決定する3月30、31日に行われるFIBA(国際バスケットボール連盟)理事会への最大級のアピールとなり、モントリオール以来となる44年ぶりの五輪出場(12カ国)にも力強く前進した。

 2月25日、成田空港に選手が到着するとロビーにはこれまで考えられなかった、ファンの出迎えが。選手たちは戸惑い、テレ笑いしながらロビーを抜け、突破決定を祝う会見と祝賀会へと軽快に歩いて行った。

 W杯予選は2017年11月、ホームでスタート。フィリピンに敗れ、最初のアウェーとなった強豪、オーストラリアとの一戦では58対82と、力の差を見せつけられた完敗を喫し、アルゼンチン人、フリオ・ラマス監督(54)の改革がチームに活かしきれない状態にジレンマもあった。

 2018年になって台湾、フィリピンとの2ラウンド目を迎えたものの、結局悪い流れを変えられずに、3カ月間で泥沼の4連敗と、W杯も五輪も可能性は限りなく低くなってしまった。しかし、コートのどん底に落ちた日本代表は、ここから一歩、一歩、劇的な化学反応とともに這い上がって行く。

 4連敗後の4月には、身長210センチでNBAでのプレー経験を持つファジーカス・ニック(33=川崎)が、アメリカから日本国籍を取得し、日本人、ニコラス・ライアン・ファジーカスに。6月の豪州戦を前にすぐに日本代表に選出された。

拡大W杯予選の豪州戦第2クオーター、ファジーカスがドリブルで切り込む=2018年6月29日、千葉市の千葉ポートアリーナ
 6月29日、日本で行われたこの豪州戦がコート上でのターニングポイントとなる。ファジーカスは25点を獲得し、初めて代表に招集された米・ゴンザガ大の八村塁(21)も24点と、世界ランク10位の豪州を79対78の大接戦の末に退けた。「自分たちにもチャンスがある。決して諦めずに強い気持ちで戦い抜こうという空気が生まれた」と、自信をもたらしたファジーカスは振り返る。

 2次予選に入ると、八村に加え、田臥勇太(栃木)以来史上2人目のNBAプレーヤーとなった渡辺雄太(24=メンフィス・グリズリーズ)が加わる。コンビはランキングでは格上のイラン戦で43点を奪取し13年ぶりに同国から勝ち星をもぎ取った。 ・・・ログインして読む
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筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

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