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巨大さの呪縛と個人の「尊重」

GAFA規制と個人情報保護について考える

宮下紘 中央大学総合政策学部准教授

GAFAへの包囲網

 ヨーロッパではGAFAに対し制裁金が次々と科されようとしています。

 フランスでは、2019年1月、Googleに対し、5000万ユーロ(約62億円)の制裁金を命じました。利用者へのデータ処理に関する情報提供が不十分であったこと、そして広告配信について利用者からの同意の取得の仕方が適切でなかったことが理由となりました。

 イギリス情報コミッショナーは、Facebookに対し、約8700万人の利用者のデータが研究者を通じてケンブリッジアナリティカ等に共有され選挙用広告に利用されてきたことから、本人の同意を得ずにデータ処理を行い、安全管理措置に違反したため、2018年10月に50万ポンド(約7200万円)の制裁金を科しています。

 ドイツ連邦カルテル庁は、2019年2月、FacebookがSNSの優越的地位を利用して第三者のウェブサイトから個人データを収集している実態が利用者からの自発的同意に基づくものとは言えないとして、自発的同意を得ない限り様々なソースからの個人データの収集を禁止する命令を下しました。さらに、ドイツ連邦カルテル庁は2018年11月にはAmazonに対してもその取引実態について調査を開始しました。

 アメリカでも、連邦取引委員会がケンブリッジアナリティカ事件を受けてFacebookへの調査を開始し、また大手IT企業が拠点を置くカリフォルニア州において2018年6月に消費者プライバシー州法が成立するなど個人情報保護法制にも動きが見られます。

 このようにGAFAを取り巻く環境は規制の目の対象となっています。

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筆者

宮下紘

宮下紘(みやした・ひろし) 中央大学総合政策学部准教授

一橋大学大学院法学研究科修了、博士(法学)、ハーバード大学ロースクール客員研究員などを経て、現職。主著として、『ビッグデータの支配とプライバシー危機』(集英社新書・2017)、『EU一般データ保護規則』(勁草書房・2018)、『プライバシー権の復権』(中央大学出版部・2015)。本稿に関連した小論として、「人間とデータのあいだ–プライバシーの居場所」Chuo Online2017年12月15日、「経済教室ビッグデータと個人情報保護」日本経済新聞2017年8月21日、参照。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです